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超人クラブ アナザー その267
ヒロトの瞳に狂気が宿る。
「お前に何がわかる!裕也様は愛らしくひ弱なのだ。守って差し上げないと」
だからぁ。その幻想はやめろ!ひ弱?守るだぁ?
裕也は本部が主催する夏の強化合宿をクリアした猛者だぞ。
並みの山伏でも音を上げるあの修行を。
響はげんなりしてヒロトを見た。
目つきが気に食わなかったのか、みぞおちに一発喰らった。
たてつづけに拳の嵐が降ってくる。
体をくの字に曲げ膝をつく。
視界がかすんで意識を失いそうになった。
ピリリリ、ピリリリ。
誰かの携帯の音。
「はい。ヒロトです。え、は?何故ですか?桜井響は僕に任せると仰ったじゃないですか」
ヒロトの声が苛立った。
「わかりました。生かしておけ。そういう事ですね。了承しました」
電話を切ったヒロトは舌打ちすると床に倒れこんだ響を見下ろした。
靴の先で響の頭をこづいた。
「運のいい奴め。本部から達しがあった。披露目まで生かしとけとな」
披露目まで……なぜだ。濁った思考では知恵がまわらない。
去っていく靴音を聞きながら響の意識は遠のいて行った。




