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超人クラブ アナザー その251
「ねぇ、要、さっきの話だけど」
「ん」
「改めてお願いするよ。ぜひ僕の相方を務めてほしい」
裕也は真剣なまなざしで先程決着のつかなかった本題を持ちだした。
俺の右手を両手でぐっと握って。
アーモンド形の瞳をキラキラ輝かせて。
「無理だよ。俺は……!」
眼を見たとたん、息を呑んだ。
ドクンと心臓が大きく脈打つ。
甘美な言葉を囁かれたかのようだった、
……彼の言葉に従うべきだ。
彼の為に何かすべきだ。
コップの水に落ちた一滴の毒のように。
その思考が俺の頭の中に拡散していった。
あわてて左右に首を振りぎゅっと目をつぶった。
これは!……角田先輩と同じ人心掌握術。
どこかの宗教の教祖のように自分に妄信させ従わせる能力。
絶対的なカリスマ性。
褐色の肌にぱっちり開いた二重の瞳。快活そうに笑う裕也は一見、角田先輩とは対照的だ。
だが、裕也の瞳には相手を承諾させる不思議な力が備わっているらしい。
その点は先輩とよく似ていた。
その先輩はさっきから渋面作って後輩の指導に当たっている。
弓をつがえる腕の位置を直したり、開いた足の幅を調整したり。
こっち見た。
うわっ。こっち来る。
……おっかねー。
あわてて眼をそらした。




