超人クラブ 幕間 雨の日は相合傘で その7*
連日よく降る。今日も半端ない量の雨が降り続いていた。
台風シーズン到来だから仕方ないのか。
生徒用玄関で下駄箱に背を向けて立っている一人の女子生徒が目に入った。
「水田。どうしたんだ?誰かと待ち合わせ?」
「あ、角田先輩。高森君。ううん。今朝うっかり傘忘れてきちゃって、ただ今雨宿り中なんよ」
家庭科クラブの水田は部活で作ったケーキやクッキーをよく俺に分けてくれる心優しい幼馴染だ。
先輩もご相伴に預かってるから彼女の事を良く知っている。
「あ、……傘」
「そうか。忘れたんだ。水田さんらしくないね」
「あはは。そうですかぁ?ドジッたなぁ。雨まだ、やみそうにないですね。」
おさげの少女、水田まり子は困った風に外に眼を転じる。
角田先輩はくるりと踵をかえし下駄箱の方へ足を向けた。
「あ、先輩」
「高森。先帰れよ。ちょっと用事思い出した。僕は菊留先生と話してくる」
「……はい」
「先、帰っていいのかな?」
先輩がいなくなった後で水田が遠慮がちに言った。
「なんで?」
「だって、高森君、角田先輩と相合傘で帰るの有名で」
「え、そうなの?」
「そうだよ。……知らなかったの?」
知らなかった。ああ、俺ってほんとに……。
先輩。きっと気を回して二人だけにしてくれたんだ。
傘を差して……水田を誘った。
「水田。一緒に帰ろう。だいぶ、雨も弱くなったし」
「うん。ありがとう。高森君」
水田はうれしそうに頷いた。
二人より添って校門を出た。
先輩がいてもいなくても雨の日は相合傘だ。




