超人クラブ マサカノ幕間 その3.
次の日、掲載サイトをチェックしていた助監督は血相かえてディースタジオに飛び込んできた。
「うおおおっ!大変ですよ。他サイト。『雨の日は相合傘で その5』
掲載分になんと!ネタバレ感想がきちゃいました」
「なんですと。ネタバレ感想ですって!」
秋野省吾はひくひくと眉を吊り上げ、助監督をにらみつけた。
助監督はその剣幕に慄きながらも手にした感想文を読み上げた。
「『ふふっw。和傘は学校とか普段遣いにはしづらいですが、でもすごく喜んでるんだろうなあってのは分かるな~。家のなかに飾ったりするんだきっと。もはやインテリア。』」
「なななっ!なんと!この後の展開がまんまじゃないのぉーん。どうしよーん」
秋野省吾は驚きのあまり、男らしい言語が消え失せ、おねぇ言葉になっている。
「どうするのよぉ。紫雀!読者に展開をよまれるなんてぇ!」
その言葉を聞いて、ざわつくスタッフ。
「わあーっ、終わったぁ。この話終わったぁー」
ぼーぜんと天を仰ぐもの。
「どうしよう。どうしよう」
ドンつくドンつく太鼓を叩いてお祈りをしだす者。
「次の就職先さがさなきゃ」
さめざめと泣きだす者。
もう、それはそれは阿鼻叫喚の地獄絵図に相応しい状況になっている。
「みんな、落ち着いて、落ち着くんだ。展開を読まれるのは良作の証拠だと。
以前、何かの本で読んだけど」と必死で紫雀は皆を宥めたのであった。
「ほんとですか?それ」
疑わしそうに、ジト目で見る番組スタッフ一同。
なんとなく騒ぎが終息した。
「あ、まぁ。うおっほん。こんな事もあろうかとエンディング二つ用意したんだよね」
「ふたつ?……どんな終わり方なんですか」
「BLエンドとあと普通のエンド。ね、ね、読んでみたいよね?」
「仕方がないので普通のも読んでみます」
「仕方ないって、何それ」
「スタッフだから仕方ないんです」
「あ、そっか。そうだよね。わかった。今、台本今配るからね」
紫雀は全員分の台本を配り始めた。




