超人クラブ アナザー その222
「単にお前が気絶してたからじゃないのか」
「いいえ。角田先輩がお姫様だっこしてくれたのは覚えてます」
あの時、先輩は先生に俺の体が冷たいから早く屋敷に運んで欲しいと言っていた。
そこまでは覚えている。
だがその後の記憶を思い出そうとしても何も出てこない。
角田先輩はなぜ、俺の記憶を消去したんだろう。
「そりゃ、お前、恥ずかしいからに決まってるだろ」
「俺の思考を勝手に読まないで下さい。マナー違反です」
「いい加減、慣れろよ」
「無理です。慣れません。向こうの先輩はこんなんじゃありませんでしたよ」
「じゃあ、どんな俺だったわけ」
「佐藤先輩は先生と同じで伊達メガネかけて能力を封印してました」
「へぇ、仲間内でもそうなのか。向こうの俺って結構いいやつじゃん」
「そうですよ。俺、向こうの先輩の方が好きかも」
「お前ねー。いちいち比べないでくんない?むかつくんだけど」
「だって」
「こっちに来た時、お前自身が言ってただろ?こっちのオレとは関係ないって」
「そうですね。言いました」
俺は不貞腐れたように横を向いた。
佐藤先輩と言い争うのは疲れる。
ふと先生の言葉を思い出した。
先生は俺と角田先輩の事をこう言った。
『君たちの関係は不思議ですね。
君たち二人は前世で何かあったのかもしれない』
前世、気になるキーワードだ。
もうこうなったら徹底的に調べるしかない。
俺はしごく真面目な顔で先輩を見た。




