超人クラブ アナザー その221
「佐藤先輩、先輩は感じないんですか?」
「何がだ」
「角田先輩の色気ですよ。変な言い方かもしれないけど、なんかこう」
「屈服させたくなるような?独占したくなるような?」
「……ええ、そうです」
認めたくはないがそう思ってしまう。やっぱり自分はどこかおかしいのか。
「なんだ。佐藤先輩もそう思ってるんじゃないんですか」
「いや、俺は思ってねーよ。友達がそう言ってたなって思い出したんだ」
「絶対おかしいですよ。俺向こうじゃこんな気持ちになったことなくて」
「ふーん。そうだなぁ。確かに角田は歳に不釣り合いな色香があるよな」
先輩は考えこむ様にしばらく目を閉じた。
「……『何かある』とお前はそう思ってるのか」
「そうですよ。何かに取りつかれてるんじゃないかと思います。
向こうの世界でも角田先輩は木霊に取りつかれて危うく冥府に連れ去られる所だったんです」
「へぇ。冥府ねぇ」
向こうの佐藤先輩は立ち会った当事者だけど、こっちにはそんな事件はなかったのか。心当たりがないような口ぶりだ。
にしても、どうして添い寝のときの記憶がないんだろう。
いくら朦朧としてたからって全く無いというのは変だ。
あっ、まさか!
「佐藤先輩、つかぬことをお伺いしますが」
「なんだ」
「もしかして、角田先輩の能力は『記憶操作』じゃないんですか?」
「よく気がついたな。角田の能力は生き物全般の意思疎通」
知ってる。向こうと同じだ。
「そしてもう一つの特殊能力は他人の記憶操作だ」
「……やっぱり、やっぱりそうなんですか」
「何か思い当たるふしでもあるのか?」
「どうも、使われたっぽいんですよね。俺の記憶」
「ふーん」
「添い寝のときの記憶がすっぱり抜け落ちてるんです」




