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超人クラブ アナザー その216
考えてみれば俺は菊留先生の事を何も知らなかった。
先生がなぜ超人クラブを作ったのか。
前世で先生がどんな境遇だったのか。
俺は悩みや疑問をただ一方的に聞いてもらっていただけだ。
他のメンバーは知っていたのだろうか?
居住まいを正して先輩を見つめた。
佐藤先輩は静かに先生の前世について語り始めた。
先生の前世は壮絶なものだった。
先生は冷戦時代、ロシアの国家機密プロジェクトに関わるESP研究所の実験体で。
薬品の過剰摂取により、15歳で死亡。
名前はリアム・ローレン。
前世の記憶を伴って現世に転生した。
先生の義理の息子さんのアレンはリアムの細胞から作られたクローンだった。
現在その彼を養子にして一緒に暮らしている。
「前世で先生は役立たずの被験者を殺していたらしい」
「そんな、酷い事」
「先生の意思じゃない。研究員に無理やりやらされてた」
「……どうして、無理やりだったってわかるんですか?」
「暗示をかけられていたらしい。
先生は人を殺すときに必ず声がするって言ってた。
『殺せ。ためらうな』って」
「暗示ですか」
「転生したとき。かけられた暗示もいっしょに復活してしまったんだ」
「ひどい。その暗示は解けないんですか?」
先輩は頷いた。




