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超人クラブ アナザー その213

それは前世の研究所ラボ時代の夢。


「壊れた研究所のがれきの中で、仲間を手にかける夢です。

 右手に握られたサバイバルナイフ。そして必ず聞こえてくるあの声」


『殺せ!ためらうな!』

頭に響く指示に逆らえず、相手の首を掻き切る所業。

帰り血をあびた両手。一体自分は前世で、どれだけの人を殺めていったのか。


義之はかつての研究者の薬で『前世の記憶』を現世にまで引き継いでしまった。

そして、前世で植え付けられた暗示は現世でも効力を発揮する。


「魂に記憶を定着させられると中々消えないものですね」

「暗示をかけ直したらいいんじゃないのか」


「何度もやってます。でも、消えてくれない。一ノ谷君」

「……」


「私はいつか人を殺すかもしれません」

義之の膝の上においた両手の拳が小刻みに震えていた。


ラボ時代の義之リアムのあだ名はリサーチャーフェイバリット。

そして、裏の通り名は死の天使『Angel of Death』だった。

その実態は始末屋。


研究の実験体が役に立たないと判断されると殺処分にされた。

そしてこの役割をになったのは同じ研究所の実験体。

「リアム・ローレンとフィン・クロス」という年端もいかぬ二人の少年だった。

フィンはなんのためらいもなく人を殺すことのできる性格だったが、リアムは違った。

頑なに人殺しを拒んだ。


そして彼は命令に従ってひとを一人殺害するごとに狂わんばかりに荒れた。

精神安定剤を過剰摂取させられたリアムは、ラボを三つ破壊し罰として三日間拘束された。

彼は能力者により強力な暗示をかけられた。

ためらわずに人が殺せるようになったリアムは記憶が一時的に飛ぶ記憶障害を患うようになった。

そうしないと彼自身生きていけなかったのかも知れない。


研究所が彼に残した爪痕は深い。

生まれ変わった後も菊留義之は未だその記憶に苦しめられていた。


「安心しろ。その時は私が全力でお前を止めてやる」

「ありがとう。その言葉に救われます」


顏を上げた義之はようやく正人にぎこちない笑顔を向けた。


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