超人クラブ アナザー その206
三十分後、菊留義之と高森要と一ノ谷正人は亜空間の中にいた。
そこはむき出しの岩石がごろごろ転がっている岩場。
辺り一面湯けむりが漂い、所々にある池はそれぞれが違う色と擁している。
たまっている液体は沸騰しているのか時折、ボコッ、ボコッと吹き上がってくる。
岩場のあちこちから間欠泉がふきだし、水しぶきが上がっていた。
「相変わらず代わり映えがしませんね。そろそろ模様替えしたらどうです」
周りを見回して毎度、同じ景色にあきあきしたという風に義之は言った。
「はぁ?何。ぜーたく言ってる。亜空間に運んでやっただけでもありがたいと思え」
「一ノ谷君、たまには美しい景色を見たいと思わないんですか?」
亜空間は正人が作り上げた創造上の空間だ。
正人の気持ち一つで風景を造り変える事ができる。
「義之、忘れてないぞ。前に造り上げた美しい森林を焼野原にしたのはお前だろ」
「そう言えばそんな事もありましたね」
過去に一度だけ森林の中で二人は戦った事があった。
義之がまだ力をコントロールできなかった学生時代。
義之の力が暴走し、森を黒焦げにしてしまったのだ。
創造した空間とは言え、正人はそんな風に景色が壊されるのは嫌だった。
例えまがい物でも壊されれば心が痛む。
だから、修練場は何も植物が生えていないただの岩場にした。
義之と対等に戦うために重力を月面と同じに設定した。
おかげでたいして鍛えてない正人でもバック転や宙返りが容易くできる空間になっている。




