超人クラブ アナザー その179
岩場を走ってるのに、超人クラブの面々は足に衝撃を感じない事を不思議に思っていた。
とにかくフットワークが軽い。
歩をする進めるごとにいちいち体が浮き上がるような浮遊感がある。
大山智花は一旦しゃがんで弾みをつけると、わずかな足がかりをたよりに、
目の前の大岩を一気に駆け上がった。
「やっぱり」
「うん。体が軽いな。智花、そっから飛び降りて見ろ」
「え、ちょっと、高いよ。段差が三メートルはあるみたいなんだけど」
岩の上から残りの四人を見下ろして智花は言った。
「大丈夫。いざとなったら超能力で俺が受け止めてやる」
「ほんとに?佐藤君」
懐疑的な顏をして智花は言った。
「ほんとほんと、安心してこの胸に飛び込んできなさい」
仁は自信満々でどんと胸をたたいた。
その後でせき込んだのは言うまでもない。
智花はその様子を苦笑いしながら見ていたが。
実際は笑ってる場合じゃなかった。
着地に失敗すれば骨折は免れないだろう。
「いろんな意味で怖いんだけど、じゃ、信用して飛ぶわよ。せーの」
言いながら、大岩から飛び降りた。
ドスンではなく、軽い感じで地面に降り立ったあと、
反動で一メートルほど飛び上がった。
「きゃっ……。すごい、軽い」
「やっぱりそうか。重力が月ほどしかないんじゃないかな。不思議な空間だな」
「じゃ、こんな石も」
「うん。当然、楽に持ち上げられる」
言いながら、仁は目の前にあった大きな石を片手で軽々と持ち上げて見せた。
「はい。レクチャー終わり。ここは通常空間じゃないって事。理解できたか?」
「理解はできました。でも、なぜ」
仁はこんな事を言ってきたのだろう?
高森要は首をかしげた。




