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超人クラブ 菊留先生の憂鬱 その十

佐藤仁とスーパーの入り口で別れ家路を急ぐ。

正規の道を通らず公園を抜けると若干駅が近くなる。

わかっていたので近道のつもりで中に入るといきなり後ろを歩いていた学生の一団に襲われた。


どこで用意したのか、彼らは手に手に角材をもって殴りかかってくる。

かなりのダメージを追って地面に座り込むとひと際ガタイの大きいリーダー格の奴が口を開いた。

「おっさん、命がおしけりゃ、財布だせや。俺ら遊ぶ金が足りねーんだわ」

自分がターゲットになるなんて考えもしなかったおやじ狩りだ。

口のはたが切れている。


体のあちこちが痛いから、ケガはそこだけに留まらないんだろう。

黙っていると、彼らは角材をすて素手で殴りかかってきた。

都合6人結構な人数だ。大人しく殴られていると声がかかった。


「何、うっかり襲われてるんですか。

 菊留先生にとっちゃそんな奴ら瞬殺ですよね!!」


公園入口で見張りに立ってた奴をのしてそいつの襟首をつかんでずるずる引きずりながら歩いてきた佐藤仁は引きずってきた奴を地面に転がし言う。

「てめえら、よくも、俺の担任をいいようにボコってくれたな。

 この借りは倍にしてかえす!」


都合よく雷がなる。一瞬光に照らされた三白眼の彼は鬼神にも

似た気迫で不良どもを睨みつけた。

不良たちは彼の言葉にひるんだようだったが

「やっちまえ」というリーダーのセリフに反応して一人がつかみかかってきた。


一旦しゃがんで伸び上がりざま相手の顎に頭突きかまして

怯んだ所に股間に膝蹴りをお見舞いした。うずくまる相手をしり目に

手近な奴に肘鉄をかまし、右手で上段への正拳突きを繰り出す。

廻し蹴りの複合技であっという間に全員叩きのめしてしまった。


「つええー、お前一体」

「崎津中の佐藤って言ったらちったぁ、名が知られてると思ったんだけどね」

涼しい顔で相手に名を告げる彼は息一つ乱していない。


「助かったよ、佐藤君、ありがとう」

「先生はほんとに、馬鹿ですか、アホですか。どうして反撃しなかったんですか」

彼は私を助け起こしながらぷりぷりと怒っていた。

「俺が助けに来る保障なんてどこにもないのに」


「保障ならありましたよ。名は体を表すっていうじゃないですか。私は君の名前にかけたんです」


「はぁ?意味わかんねーし」

じん、君の名前は 思いやり、いつくしみ、なさけという意味です。

 ご両親は素晴らしい名を君に送ったと思いますよ」


褒められた彼は照れくさそうにそっぽを向いて言う。

「ほんと、馬鹿だ。日本には名前負けっていう言葉もあるのに」

「あははっ、ほんとにそうですね」


でも、このかけは勝率100パーセントだった。

彼のデータファイルにはこう記されている。

『正義感のかたまり。そのためよけいなトラブルを抱える事がある』


妙に喧嘩なれしているのも、仕方なく身につけた業だろう。

親分肌な気質が彼の生きずらさを助長しているのだとしたら

とても残念な事のように思えた。



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