超人クラブ アナザー その156
「陰陽師」や「霊能者」という言葉を聞かされて俺はげんなりした。
こちらの世界ではメジャーな職業なのか?
向こうの世界でも一応存在はしているがどちらかと言えばマイナーだ。
小説やゲームや漫画の中では大活躍だが身近でお目にかかることはない。
霊能者だって珍しいからテレビに出演しているともいえる。
じゃあ、菊留先生の使っている呪は一体なんだろう。
先生は陰陽師が使うとされるゴマ木を焚いたり、式神を使ったり、占いをしたりはしない。
本来視えないものを顕現させて祓う。
どちらかといえば霊能者っぽい気がする。
先生は、霊能力と超能力は同義で肉体があるか、無いかの違いだけだと言っていた。
どちらも精神エネルギーを具象化して使ってるにすぎないと。
具象化するには体が消滅し常識の概念が無くなった霊体の方がより、能力を発揮しやすくなる。
だから、生前なんの超能力も発動しなかった人が霊になったとたんに。
簡単に超常現象をおこせるようになるのだと先生は言った。
なんとなく頷ける。
俺も幽体になった時は宙に浮いて移動できたし、簡単に平行時空を行き来できた。
智花先輩のように人為的に体から抜ける事ができれば
もっと色んな能力が使えるようになったかもしれない。
いや、肉体があったって、常識という概念さえなくせばきっと。
俺は眼を閉じた。
右手をスッと前に伸ばし掌を天井に向けて、その上にリアルな炎をイメージした。
数秒後、ボッと発火する音が響いた。
ぱちぱちと爆ぜる音がする。熱い。
瞼を開くと掌の10センチ程上に手のひらサイズの火球が出現した。
驚いた。
今日は何をやっても思い通りになる。




