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超人クラブ 菊留先生の憂鬱 その七

「佐藤君、大丈夫ですか?首」

彼の首から手を放し尋ねる。

「あっ、ぜんぜん平気」

そう答える彼は抑え込まれたショックで最初はせき込んでいたが、のど元を触って状態を確認している。問題なく声は出るようだった。

彼の突然の攻撃にも驚いたがそれ以上に自分の取った行動にショックを受けた。


自分は研究所ラボ時代、実践を想定した格闘術を身に付けさせられた。

実際に戦場で活躍することはなかったが、要人暗殺を目的とした研究内容は動物、人体実験の多岐に及び人体の急所を狙う事を徹底的に教え込まれた。

その教育の一環として殺人を目的とした白兵戦もプログラムの中に組み込まれていたのだ。


転生した後は少年期、青年期ともに一切格闘術に関わらずに成長した。

にも拘わらずとっさの行動で彼の急所を狙い、息の根を止めようとしたのだ。

それをせずに済んだのは、現世の教師としての今の立場だった。

今更ながら、自分の過去世の記憶が呪わしく忌避すべき存在だと認識する。

冷や汗を拭って背広の内ポケットに放り込んだリミッター代わりの

指輪を探し、二つとも指にはめた。


そうでもしないとどうにも気持ちが落ち着かなかった。

「先生、もう一度俺と勝負してよ」

納得がいかなかったのか佐藤仁はのんきにそんな事をいう。

殺される寸前だった事を自覚してない彼に呆れた。

どうせ自分の心の葛藤など彼にはわからないのだ。

心を読まれないようブロックした結果とはいえため息がでた。


予冷がなった。

「佐藤君、教室に戻りましょう。まだ授業があるのだからその話はあとで」

この学校の中庭に防犯カメラが設置してなかったのは幸運としか言いようがない。

さっきの映像が残っていれば大いに問題行動として一波乱あっただろう。


薄墨色の空を見上げ深呼吸して、彼とはもう一度話す約束をし中庭を後にした。


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