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超人クラブ アナザー その125

同日、話は少しさかのぼる、

高森要おれが病院生活で体がなまったのを自覚して運動不足を解消すべく、

病院内を歩き回っていると一階にある売店の所で泉と角田先輩に出会った。

学校帰りに病院によった二人は俺へのお見舞いのための商品を見繕っていたらしい。

先輩は手にとった漫画雑誌をレジに持っていって清算をすませると声をかけてきた。


「高森、もう歩けるようになったのか」

「あ、あの、歩けたのは昨日からで」

室内にあるトイレには自分で行っていた。


俺は先輩の顏を見た途端、前日、病院で泣いた事を思い出して恥ずかしくなり俯いた。

そんな事、忘れたかのような先輩の言葉。

そして不思議と俺を見る先輩の眼差しには険がなかった。


「そうか。よかった」

「今日はなんで」

「君の入院は僕のせいだから」


責任を感じて日参しているのか。ほんとに

「先輩らしいです」

言われた先輩は足元に視線を落とした。

「向こうの僕もこうしただろうなって」

「……そうですね」


たぶん、そうだ。きっと向こうの先輩なら毎日お見舞いに来てくれるだろう。

「うれしいけど毎日来なくても大丈夫ですよ。先輩は忙しい体だし」

「なぜ、忙しいって知ってるの?」


彼は不思議そうに尋ねてきた。

黒曜石の双眸がガラスのように瞬く。向こうの先輩と同じ瞳だ。

錯覚しそうになる。俺は元の世界にもどれたんじゃないかって。

でも、違うんだ。ここは似て非なる別の時空。


「だって、日舞と書道、習ってるんですよね」

「……うん」


「泉から聞きました。弓道部の部長でしょ、それに塾もあるし」

「いいや、塾には行ってない」

「そっか。家庭教師なんだ。向こうの先輩は塾なんです。書道部の部長だし」


もともと先輩の親は家庭教師をつけたがっていた。


こちらの世界で俺は先輩に出会ってない事になっているから、

塾ではなく家庭教師なのは当然なのかもしれない。


「ほんとに僕の事、良く知ってるんだな」

「それは、もちろん」


自然に顔が綻んだ。

毎日一緒に行動してたんだから当たり前だ。

でも、それをどんなに説明した所でこちらの先輩には理解できないんだろう。




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