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超人クラブ アナザー その104
「今の君に何を言っても無駄のようですね」
いいながら義之はつくばったまま体を起こすことができない裕也を抱えてソファに座らせた。
裕也の体は燃えるように熱かった。
長い間、悠斗に憑依されていたため、自力では呼吸するのもままならない。
彼は力なくソファにもたれ片手で胸を抑えて目を閉じ浅い呼吸を繰り返していた。
衰弱ぶりがひどい。
彼の様子を見て義之は断を下した。
「……仕方ありません。本意ではありませんが君が彼から離れないというのであれば」
義之は口元にスッと二本の指をたてた。
「怖いな。菊留さん、本気なんだね」
薄ら笑いを浮かべて悠斗は義之を見つめた。
「この世では生きている者が優先される」
義之は抑揚のない声でそう言った。
「杓子定規な物言いだね」
「死者は生者に手をだしてはならない。
あなたのお兄さんから教わった事です」
「そんなの欺瞞だよ。人が決めた事に意味なんてない」
「悠斗君」
義之は指をたてたまま呪を唱え悠斗に向けてはなった。
「天地開闢の理によりて、我は望む、滅せよ」
「界を隔てよ。結!」




