表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
280/483

超人クラブ アナザー その101

一時間後、菊留義之と一ノ谷正人は、

探偵事務所の応接間のソファに向かい合って座っていた。


「最低だな。私は……。」

しばらく沈黙が続いた後、正人は小さく呟いた。


「裕也君、弟さんに似てますね。

 猫っけの髪、二重の瞳、笑うとかたえくぼが出る所なんかよく似てる」

義之の言葉に正人はびくりと反応した。


「そうだな。……にてる」


出会った時から思っていた。

その面差しが、なんと悠斗おとうとに似ている事か。

弟が成長していれば、まさしくこんな感じだったに違いない。

だから側にいてくれると嬉しかった。まるで弟が返ってきたようで。

故にずるずると今の関係を続けてしまった。

過去の記憶に苛まれて、両腕を抱え震えている正人に義之は言った。


「もういい加減、ご自分を許してあげてはいかかです」

「許す?どうやって許すって言うんだ」


「弟さんが亡くなってから10年も経っている。もう許されてもいいのでは」

「許せるものか。自分の不注意で悠斗は命を落としたんだ。今回だって」


義之が来なければ同じ事が起こったかもしれないのだ。


義之はソファから立ち上がった。

「……今日の所は帰ります。おじゃましました」

一礼して正人に別れを告げた。

彼の悲嘆は深い。

震えの収まらない正人をみて今日、相談事をもちかける無理だと思った。


「……いや、受ける。何か相談があってきたんだろう?

 少し待ってくれ。気分が落ち着けば話を聞くから」


弟がいなくなったあの日から彼の中で時間は止まったままだ。

応接室のソファに座りなおした義之は所在なげに下を向いた。

部屋の中にしばし、静寂が訪れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ