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超人クラブ アナザー その95
正人が高校一年生の時、弟の悠斗はまだ小学3年生だった。
猫っ気のやわらかい髪と二重でぱっちりしたチョコレート色の瞳。
日に焼けた褐色の肌は健康そのもので笑うとかたえくぼがでる。
正直かわいい!弟ってこんなにかわいいものだっけ。
弟が生れたその日から正人はすっかりブラコンになってしまった。
母親の代わりにミルクを作ってやったり、おしめを替えたり、
夜泣きの時には抱き上げて外に出てあやしてやった。
それはもうかいがいしくお世話をした。
「おにいちゃん、昨日の算数のテスト百点だったよ」
「おお、そうか。まあ、当然だ。教え方がうまいからな」
「ちがうよ。僕が一生けん命勉強したからでしょ」
プーとふくれる顏が可愛くてわざとほめなかったり、
自慢の弟だったからどこに行くにも一緒。
友達に写真を見せながら弟の自慢をしていたこともある。
そのデレデレぶりに友達がドン引きしていた。
それがあの日、どうしてそうなったのか。
正人はよく覚えていない。




