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超人クラブ 菊留先生の憂鬱 そのニ

教授の好奇な視線をさけ自分の部屋に戻ろうとすると手をつかまれた。

驚いて彼を見ると値踏みするようにリアムを眺めまわし言う。


「実に楽しみだ。君はまだ15歳らしいね。リアム」

「……はい」

「君は私の薬で完璧な超能力者になれるだろう。ついに人間兵器の完成だ」

「……」

リアムは教授の手を振りほどくと急いで自室に戻った。


教授の言葉は恐怖を搔き立てるのに充分だった。

自分は殺戮の道具になんかなりたくない。

金に釣られた親に研究材料として売り渡されたのだ。

リアムがラボにいる理由はその一言に尽きた。


いつの間にか部屋に戻った彼は疲労のあまり眠ってしまった。

ロックもかけずに。足元に何か負荷がかかる。

いや、足だけじゃない。体全体に負荷がかかった。

誰かが自分の上にのしかかっている。


「ひっ、教授……。」

眼を開けるとすぐ間近にグローム教授の顔がある。

「何を……放して下さい。重い」

「放すとも、この薬を君に打ったらね」

馬乗りになって体全体で体重をかけ右手でリアムの手を抑え込み、左に緑色の液体の入った注射器を手にしてグローム教授はにやにやと笑いながら容赦なく言う。

どうしようもない恐怖で全身が震える。


さっきから一時間もたってない。

前回の薬の影響はまだ体から消えていない。

そんなものを打たれたら……。

最後にリアムの目に映った映像は、腕にささった注射器から緑色の液体が自分の体の中に浸透していく様子だった。


効果はすぐに表れた。記憶が飛んだ。まるでテレビのスイッチを切るようにすべての映像が頭の中から消え、強制的にシャットダウンされたかのようだった。

同時に意識が薄れていく。


リアムとしての記憶はそこで途切れた。


眼が覚めた。寝汗がひどい

現在明け方の4時、起きるにはまだ少し早い。

「動揺するな、大丈夫、今は冷戦時代のソ連じゃない。ここは21世紀の日本、私は日本人の菊留義之」


前世に捕らわれるな。

もう過ぎたことだと自分に言い聞かせるが、鮮明に蘇った過去世の記憶のせいで胸中は穏やかではなかった。



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