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超人クラブ アナザー その88
「おはよう、高森くん、どう?その本面白いでしょう?」
勝手知ったる病院なので自由気ままに歩きまわる彼女は
面会時間ではないにも関わらず高森要の病室を訪れていた。
「うん、面白い」
「どこまで読んだ?」
「褒姒が幽王の後宮に入った所まで」
「そっかぁ。結構進んでるね」
「ひまだからな。今は宿題する気力もないし」
「そうだね。大変なめにあったもの。仕方ないよ」
「あっ、泉、いろいろ気を使ってくれてありがとう」
「うん。でさぁ、その褒姒っていう女の人、笑わないんだ」
「へぇ、そうなんだ。ってネタバレじゃん泉」
「ごめん。でも、それ、そういう話」
「ふーん。笑わない妾妃の話なのか。先輩みたいに?」
「うん」
「泉、なんで角田先輩は笑わないんだろう」
「……わからない。前からあんな感じだったけど、歳追うごとに酷いかな」
「泉はいつから先輩と知り合いなの?」
「小学校5年から、結構長いよ」
向こうの泉と同じだ。
「小学生の先輩って性格が最悪で、会っていきなり握手拒否られたんだよ」
うん、知ってる。向こうの先輩と全く同じだ。
「踊りの教室で知りあったんだろう?」
「そうよ。なんでそんなに詳しいの?」
「向こうの泉に聞いた」
アナザーって言っても全く違う訳じゃない事に泉は驚いていた。




