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超人クラブ アナザー その85

「笑えだなんて、それは……すごい要求ですね」

失笑しながら泉は言った。


「泉、笑わないでくれ」

「いいですけど……彼、何だってそんな事を?」

「向こうの僕はよく笑うって、だから笑って欲しいって」

「……そうですか」


泉はその言葉を聞いて笑いをかみ殺すのに必死だ。

よく知りもしない高森要かれに笑いかけるなんて先輩にはムリゲーだと思った。


「でも、先輩、いい機会だから、笑う練習してみたらいいんじゃないですか?」

「笑う練習って、……無理だ。どんな顔をすればいいのかわからない」


「簡単ですよ。口角をあげて目じりをさげて」

……なんか、ぎこちない。

この端正な顔をした先輩のトレードマークは仏頂面。


「常々もったいないと思ってたんですよね。

 先輩、クールビューティーだから笑えば女の子がほっとかないのにって」


「別に、……モテなくていい」

「またぁ、意固地なんだから」


泉は応接室から自室にもどり手鏡を取って来てすぐ部屋に帰ってきた。

「はい。先輩、これ見て練習して下さい」

手鏡をもった先輩は戸惑いつつも笑おうと努力していたが、

やがて、机の上にカタリと鏡を置いた。


「……やっぱり、無理だ」

「そんなに無理なら別に笑わなくてもいいんじゃないですか」

「それはダメだ。願いを聞くっていってしまった」

律儀だ。先輩は変な所にこだわる。


「じゃあ、やっぱり、練習しかないですね。先輩もそろそろ笑ってもいいと思います」

「そろそろって」

「お姉さんが亡くなって、もう一年でしょう?今の先輩を見てお姉さんは喜ばないんじゃないかな」

「……帰る。遅くに訪問して悪かった」

「いいですよ。じゃ、きをつけて」


泉は彼を玄関まで見送った。

言った言葉は本心だった。

先輩はそろそろいろんなしがらみから解放されてもいいのでないかと思っていた。



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