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超人クラブ アナザー その82

「そうですか」

俺は深呼吸した。


「角田先輩。俺の願いを聞いて下さい」

「えっ、ああ、出来る事はなんでも……」

「じゃあ、枕元にきてもらえますか?」

頷くと佐藤先輩と入れ替わりベッドのそばへ。

「ちょっとかがんで下さい」

不思議そうな顔をしながらも言ったとおりにしてくれて。


俺は両手を伸ばした。

手のひらを先輩のほっぺたに沿えて。

「えっ!わああっ」

思いっきり、むにゅと左右にひっぱった。


「なっ、何を!はなせ。高森」

「…‥‥先輩!笑って下さい」

「えっ、笑えって、高森、笑えるわけないだろ」

「俺、こっちの世界に来てから一度も先輩の笑顔見てないです」

先輩は眼を見開かせた。

「……」

「だろうな。俺も角田が笑ったのを見たことがない」

「うそっ、一度くらい」

「うそじゃない。お前は一年前から超人クラブにいるのにいつも仏頂面してる」


「先輩、そんな不貞腐れた顔してたら俺、そばにも寄れないじゃないですか」

「……」

俺は先輩のほっぺから手を放して言った。


「向こうの先輩はよく笑うんです。いつも笑顔なんです。

 だから俺、こっちの先輩にも笑っていて欲しい」


「目覚めていきなりすごい要求だな。無理に決まってる。

 俺だってなんどコイツを笑わせようとしたか」

「無理じゃありません。だって、向こうの先輩は」


不覚にも涙があふれてきた。

一年も笑った事がないなんて、いったい今までどんな人生歩んできたんだ。


「……高森、お前、泣いてる?」

「泣いてます。だから、……角田先輩は笑って下さい」


「高森は泣き虫なんだな」

「よけいなお世話ですっ。……誰のせいだと思ってるんですかっ」

泣き顔なんか見られたくなかった。

壁際に顏をそむけた。


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