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超人クラブ アナザー その58
馬鹿みたいに素直でお人よしで、特技もろくにないくせに。
なんでコイツは皆に好かれてるんだ。
「なんの取り柄もない平凡なキャラのくせに、
お前の世界の人間は高森、高森ってお前の事をかまって」
髪を染め替えたのだって、二人の先輩がお前にそれをしてやる義務はないはずだ。
『うん、そうだね。皆、俺の事かまってくれる。
困ってると手を差し伸べてくれる。有難いと思ってるよ』
「ほんとにっ、お前って、腹立たしいよ」
口元に笑みが浮かんだ。
言われた事は全部真実。
とりたてて成績がいいわけではない。
喧嘩が強いわけでもないし、注目を集める程のキャラ立ちもない。
先輩のように今まで何かを習っていたわけでもない。
俺はいつも誰かの後ろにひっそりと立っているだけの平凡なキャラクターだ。
だから、彼のいう事は何一つ否定できない。
「なんで笑ってるんだ。ふざけんな」
『ふざけてない』
「うそつけ!」
『どれもほんとの事だなって思って聞いてる』
「そうやってあっさり肯定する。お前、むかつくんだよ。」
『反論の余地もない』
「いい子ぶりやがって。なんでオレの言葉を否定しないんだ。
そういう所が気に食わないんだよ」
「高森君、君はこの世界の要君が羨ましいんですね」
俺たちの会話を静かに聞いていた菊留先生は中指で眼鏡のブリッジを押しあげ、
会話に割って入った。




