超人クラブ アナザー その55
「……そうですか。よかった……」
安心したのか角田先輩はホッと息をついた。
『先生。俺、よくわからないけど、魂だけで……こっちに帰って来てしまって』
「君はいったいいつから、こちらの世界にいるのですか」
『髪、染め直した時からです』
日曜の午後2時に先輩たちが来て美容院に行き髪を染めた。
髪をカットして染め終わったのは午後5時ごろだった。
夜を越して朝起きた後も、まだこちらの世界にいた。
「そんなに前から……体を離れてからゆうに18時間は経っているという事ですか」
『……はい。たぶん』
「どういう状況で体からぬけたのですか?」
「刺されて気を失って、目が覚めたらこちらの世界にいました」
「……なるほど、痛みに耐えられず、体から離れてしまったという事ですね。
驚きです。君にも智花さんと同じ能力あるとは思わなかった」
『俺、どうすれば』
「一刻も早く、体に帰らないと体の方がだめになる」
おそらくその通りなんだろう。
「帰る方法を検討します。一旦散りましょう。授業がはじまります。
放課後、メンバー全員でここに集まってください」
頷く先輩たち。
「佐藤君。大山さんにも声をかけて下さい」
「OK。先生」
「彼女があちらに帰るためのキーパーソンになるでしょう」
先生は硬い表情のままでそう言った。
「高森君、いったん呪をときますよ」
「ちょっと待てよ。先生」
アナザーなオレは不遜な態度で先生の前に立ちはだかった。




