超人クラブ アナザー その52
「とにかく、俺は先に行くから、じゃあな、角田、高森」
佐藤先輩は言いたいことを言うと、そそくさとその場を離れようとする。
角田先輩は彼の腕を捉えて言った。
「冷たいですね。佐藤先輩、一緒に行くぐらいどうってことないでしょ」
「いや、絶対無理、あっ、角田、高森、学校ついたらカウンセリング室にこいよ。菊留先生の伝言確かに伝えたからな」
彼はそのようなセリフを残して去って行った。
走り去ってゆく先輩を追っかけていく気力はなく、二人顏を見合わせたがすぐに
ともにプイッと横を向いた。
道中寡黙に歩き続ける。
『あれ、角田君?うん、なんか』
『なんか、今日はイケメンオーラ半端ないよね』
『高森要な彼。今日はキュート』
『うん、うん。私も眼が行く。二人歩いてると圧倒されるよー!』
『二人とも、かっこかわいい』
普段は聞かない奇妙な賞賛に俺は戸惑いを隠せないが、オレの方は平気らしい。
眼をくれる女子に手を振りながら笑顔で答えている。
ちょっと、俺になり切るんじゃなかったのか。
普段の俺はそんな事しませんけど。
俺のイメージが大幅に書き換えられていくことに、焦りを感じながらも
何もできない事に苛立ちを覚える。
学校の玄関口にたどり着いた時。
オレがあまりにも周りの女子に愛想よくするので俺は精神的にへとへとになっていた。
だからと言ってまわりの皆に俺の姿が見えるわけではないのだか。
「おはよう。高森君」
あっ、水田。
自分の下駄箱の所で彼女に話しかけられた。
幼馴染の水田まりこ。
小中高と同じ学校に進みいつも俺に屈託のない笑顔を向けてくれる。
「おはよう。水田」
「高森君。今日はなんか変だよ。女子に対して妙に愛想いいし」
「えっ、そう?そうかな。普段どおりだけど」
うそつけ!俺は力いっぱい突っ込みたいぞー。
「それになんかきらきらしてる」
「きらきら?」
「うん。なんだろう。ものすごく注目したくなる」
水田は佐藤先輩と同じことをのたまった。




