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超人クラブ アナザー その25

「仕方ないだろう。こんな依頼ははじめてなんだから」

「具体的には?」

「わからない。なにせ、やったことないし」

「ふむ。なるほど。一ノ谷君。ありがとう。ではこれで失礼するよ」


トーンを落として義之は言った。

「彼、いい子ですね。弟子にしてあげたらいいじゃないですか」

「弟子にしてけがを負わせたら親御さんに申し訳がたたない。

 断じてそんな事できるか」

「そういう所も変わってないですね」


一般人をなるべく危険な眼にあわさない。

一ノ谷正人のポリシーだ。


義之は微笑して軽く挨拶を済ませると事務所のドアをくぐった。


「あっ、ぼく送ります」

「いや、ここでいいですよ。ありがとう。裕也君。では」


振り返るとビルの自動ドアの前まで出てきて桂木裕也が深々と頭を下げていた。

苦笑した。彼の前で超能力を使う訳にはいかない。

駅を目指し電車で帰る事にした。


『けがをさせたら親御さんに申し訳がたたない……ですか』

私の生徒は勝手にけがしてくるんですけどね。


正人の言葉を思い出しひとり電車の中で苦笑いする菊留義之だったが

よもやこれが現実になろうとはこの時点で思っていなかった。


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