超人クラブ アナザー その6
「やめてよ。ちょっとぉ、放しなさいよ」
泉加奈子はそう言いながら捕まれた腕を振り払おうとしている。
だが、腕を掴んでいるのはガタイのいい男子高校生二人だ。
華奢な泉がかなうはずない
佐藤先輩がこの場にいればあっという間に全員を再起不能したんだろうが
あいにく、ここにいるのは俺一人。
俺は腹をくくった。
天は自ら助くるものをたすく。菊留先生の口癖を暗唱して
俺の隣の右隣立っていた奴に足払いをかけ、簡抜を入れずに左隣の奴に頭突きをかました。
「このやろう!」
わめきながら木刀で殴りかかってくる奴を視界にとらえた。
と同時に泉が叫んだ。
「要君、上」
飛び蹴りをかましてきた奴を交しきれない。
ダメージを食らう覚悟でとっさに眼をつぶった。
いつまでもダメージは訪れない。
恐る恐る目を開けると髪の長いポニーテールの女の子が
そいつに拳を叩きこんで鮮やかに目の前に降り立ったのが見えた。
「大丈夫?君」
「……あっ、はい」
「加奈ちゃんも怪我はない?」
「智花先輩。大丈夫です」
周りを見ると不良は全員、地面に伸びていた。
代わりに超人クラブの面々がそこに立っている。
「泉がいつまでたっても待ち合わせの場所に来ないから、トレースしてみれば
不良に絡まれてるし、……しかも男連れとは珍しいな」
「違いますよ。佐藤先輩。コレ、彼じゃありませんから」
コレってずいぶんないわれ様だ。
「じゃあ、何?」
不機嫌そうに角田先輩が言う。
「彼、凪高校の高森要くんです」
「……えっ?」
「うそっ」
横から口を挟んだのは智花先輩だった。
「だって、彼」
と言いながらスマホの写真ホルダーを操作して
一枚の写真をアップし皆にかざしながら叫んだ。
「高森要ってこんな奴よ。似ても似つかないじゃない」
言われてみればその通り、全く別人のような俺の写真がそこにあった。




