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超人クラブへようこそ その18

固定電話がなる。留守録になっていたのであらかじめ吹き込まれていた自動音声が流れた。


「佐藤です。ただいま電話に出ることができません。合図がありましたらメッセージをどうぞ」


「先輩、佐藤先輩、いるのはわかってるんです。早く電話に出て下さい、お願い」

声だけで泉とわかる。がちゃっと受話器を取る。

「わかった、わかったから泉、おちつけ、何があった」

「角田先輩がてく……ひっく」

「てく?」泉はときどきしゃっくりをあげている。


「だから、手首を切って、兎に角、はやく来て、お願いです」

「泉、おまえネー、俺を金斗雲かなんかと間違えてない?」

「だって、だって、角田先輩が」

「救急車とか、警察とかよぼうとか考えないわけ」

ちょとだけ意地悪く言ってみる。


「そんな事言ってる場合じゃ」

「あーっ、もうわかった、泉今どこ」

やっぱり、俺は泉には弱い。


「昆虫館の……蝶館の方」

途中しゃっくりをあげながら説明する泉の声。

「わかったすぐ行く」

泉の慌てぶりから

ただ事ではない事態がおこったのはわかる。


家に内側から鍵をかけ玄関口で靴を履きダイレクトで蝶館に飛んだ。

ドーム奥のベンチに座り込んでいる角田とそばで介抱している泉。

二人の足元に血だまりができている。

デジャヴが襲ってくる。あーっまたこれかよ。

一年前と全く同じ光景に目まいがした。泣き顔の泉が言う。

「先輩、早く泉総合病院に運んで下さい。お願いだから」


このセリフも一年前と同じだ。

時間が逆流したのかと錯覚する。

泉の望みどおりに三人で病院に飛んだ。

角田は泉から連絡を受けていた救急治療班に引き継がれすぐ、治療室に運ばれた。


「また先輩を救えなかった」

自責の念かられる泉にかける言葉がみつからない。

「泉のせいじゃないよ、気にするな」

おそらく今の角田は泉にも他の誰にも救えないだろう。

分かっていてもやるせない気持ちが先に立つ。




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