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超人クラブ 桜花恋歌 その43

「落ち着けよ。高森」

「えっ、あっ、佐藤先輩」


ぽんと肩を叩かれて我に返った。

間を置かず佐藤先輩のスマホが鳴った。


「はい、佐藤です。あっ、泉、……そうか。よかった」

佐藤先輩は俺にスマホを渡してくれた。


「ほら、高森」

「……はい。高森です」

受け取ってスマホに出る。

「あっ、高森君。先輩意識戻ったよ。もう大丈夫。心電図も正常だし」

電話の向こうの泉の声は弾んでいた。


「いずみ……」

「どうしたの?……泣いてるの?高森君」

「うっ、うるさい、泣いてなんか」


ひょいっとスマホを取られた。

「泉、これから、そっち行くから。うん、じゃ後で」

通話を切って、佐藤先輩は労いの言葉をかけてきた。


「やったな。高森、おつかれさん」

「俺、失敗したらどうしようってそればっかり思ってて」


「うまくいったじゃないか」

「はい。ほんとによかった。うまくいって」


「さぁ、帰るぞ」

そう言うと佐藤仁は古民家の露台の方をちらっと見た。


「先生、いるんだろ。終わりましたよ。先生ってば」

「なんだ。ばれましたか」

菊留先生はあくびをしながら二人の前に姿を現した。


「当たり前ですよ。ばればれだっつーの」

「えーっ、いたんですか?ひどい。俺、ものすごく不安だったのに」

「すみませんね。高森君、でも可愛い子には旅をさせろって言うでしょう?」


「よく言うよ。ついてきてりゃあ世話ないですよ」

「そうは言っても心配で」


「結局、先生はオレを信用してなかったって事ですよね」

佐藤仁は気色ばんで先生を見る。


「いいえ、そんなつもりはありませんよ。

 保護者としては、万全を期するのがセオリーですから」

「でも俺のプライドが傷ついたんだけど」

「プライドなんてどうでもいいじゃありませんか。すべて丸く収まったんですから」


先生はあっけらかんと笑って不満顏の佐藤先輩に、そう言ってのけた。

プライドなんかどうでもいい。

平穏が一番。

実に先生らしい回答だった。





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