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超人クラブ 桜花恋歌 その26

「さっ、ちゃっちゃっとお見舞いにいきますか」


そう言うと泉は角田先輩の家の方角へ足を向けた。

あわてて後をついていくと道中にあった一軒の和菓子屋に入っていき

求肥や創作和菓子をいくつか買い求めた。


「ここの和菓子、おいしいのよ。先輩のお気に入り」


尻込みしそうな俺をせき立てて、角田家の門扉に近寄り

インタホーンを押して要件を告げ、門をあけて貰う。


それこそ、自分の家のように入っていく泉。

自然すぎて、全く違和感を覚えなかった。


「泉様、お久しぶりでございます」

「こんにちは、田森さん。護先輩はいらっしゃるんでしょ」


玄関で出迎えた執事に泉は臆せずモノを言う。


「はい、ご自分のお部屋の方に」

「そうですか。じゃ、直接行かせてもらいます。構わないわよね」

「はい。承知しております」


なるほど、泉の言う通りそれが当然と言う受け答えだった。

旅館と見紛みまごう広くて長い廊下を歩き先輩の部屋の前に立った。


泉は二度ノックし、深呼吸をしてから声をかけた。


「先輩。ごきげんいかかですか?」

 返事はない。


「可愛い後輩がお見舞いにきましたよー」

 やっぱりない。


「高森君も一緒だよ」

 だんまりを決め込む先輩。


「残念だなー。清月の和菓子買ってきたんですけど」

 沈黙を守っている。


「このままじゃ食べれませんねー」

 静かすぎる。

 

「この和菓子、高森君と二人で食べますね」

 相変わらず変化はない。


「それじゃ、私達帰ります。お邪魔しまし」

 ガチャッと扉が開いて、紺色のゆかたを着た先輩が顏をだした。


「泉……」

「やだなぁ。元気そうじゃないですか。何むくれてるんですか」

「和菓子……食べたい」

先輩は小さな声でそう言った。


ちょろい。和菓子につられるなんて……。

意外と元気そうな角田先輩の顔を見て俺はちょっと安心した。

案外、今日休んだのは仮病かもしれないと思った。



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