表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狙撃手の日常  作者: 野兎
拠点
97/166

96 手伝いもする


 手は十分足りてそうだ。最終形態みたいな感じで合体したマッドのゴーレムが石を一つ一つ積んでいっている。俺のゴーレムとマッドのゴーレムはもう別物だと思うようになった。

 コンクリートを薄く塗って、その上に石を置いていっている。


 そしてワイズさんが時計職人に魔法陣とは何たるかを教えながら、石に魔法陣を刻んでいる。元々あった場所に正確に魔法陣を設置し、リフォームしたのとと変わらないようにするらしい。カラコさんがいうには結界とかも張られているらしい。

 結界というとモンスターが来ないあれだろうか。

 街に飛行するモンスターが来ないのも何かそういうものがあるのだろうか。ゴブリンは攻め入ろうとしてきたけど。


 そして俺に頼まれたのは転移魔法陣から家までの道の爆破と、庭に生えてる植物をどうにかして引っこ抜いてくれとのこと。

 雑用だな。


 イメージ図を見ると、街路樹が道の間に立ち並ぶだけになるからこの花々は要らなくなるわけだ。そのまま燃やしても良いのだが。植物関係はいつの間にか俺の仕事にされてるな。


 植物鑑定で見ても、大体が観賞用みたいだ。高く売れるらしい種類もあるから燃やすも勿体無い。

 のだが、俺の魔法に植物を引っこ抜く魔法はない。農作を全力で使い、スコップで掘り起こすしか無いだろう。


 はぁー。やりたくねえ。

 といって俺だけ何もしないわけにはいかないし。ゴーレムに指示だしてるだけのマッドが羨ましい。

 ゴーレム呼びだそうかなぁ。ゴーレム1体ぐらいだったら、消費MPも少ないし。トレント2体だけは返せないんだよな。MPがなくなったら、せっかく買ったものが逃げることになる。


 いや、先にゴーレムに檻を作らせてそれからトレント2体を返して、ゴーレムを思う存分呼べばいいのか? 今の俺には微妙なMP回復手段はあるにしても、少しMP回復するだけだからな。


 最悪ログアウトするまでトレントを出しっぱなしにしないといけない。そして俺にはその計算ができない。やろうと思えばできるけど面倒くさい。


 ……自分でやりますか。農作のレベル上げも兼ねて。


 ザクザクと無心で掘る。掘り起こす。

 農作ではアクションスキルは得られないのだろうか。カラコさんの差し入れの焼き肉を食いながら掘る。こういうシチュエーションではおにぎりが最適だと思うのだが、狩猟採集民だから仕方ない。

 米なんかないのだ。小麦は今育てている途中だがな。


 しかし米を持っている料理人は一体どこから手に入れたのだろうか。いずれこの拠点にも田んぼを作って上手い飯を……やばい腹が減ってきた。忘れよう。


 そんなことを考えているうちに大量の掘り起こされた花がある。更地になった。日光を浴びてぐんにゃりしている。……変なところでリアルにならなくても良いんだよ!


 台車を持ってきて、それに草を乗せて畑に向かう。空いている土地に片っ端から植えていく。水が必要な種類とか、日陰を好むとか知らん! 今はやる気が無いんだ。MPを持続的に使い続ける状況じゃなかったら、グロウアップの1つでもかけてやるんだがな。


 さて、次は道を叩き割らなければ。



「エクスプロージョン!」

 魔法と共に最後の石畳が砕け散った。


「お疲れ様です」

 本当におつかれだよ……。


 大体基礎はできている感じだ。内装はまだまだだが。実際NPC大工に頼んだほうがこんな苦労しなくてすんだんじゃないか?


「といってもうさぎ小屋の建設できてないしな……」

「イェンツ夫妻が先ほど到着しました。頼んでみてはどうですか?」

 全く気づかなかった。爆発に巻き込まなかったようでよかった。

 カラコさんはそれだけ言うと忙しそうに現場に戻っていく。これってアルバイト代出るんだっけ? ヴィルゴさんの舎弟もこんなことやらされて良く嫌にならないな。



 畑に行くと困った顔をしたイェンツ夫妻が。2人とも農作業の格好をしており、やる気満々って感じだ。これが仕事なんだろうけど。


 しかし2人して、畑を見て保護者参観に来たけど息子が思ったより出来が悪くて塾に行かせようか話し合っているみたいな顔をされると話しかけづらいというか。


 幸いそれほど立ち尽くすこともなく、あちらから話しかけてくれた。


『あ、御主人様』

 御主人様……。良い気分だ。俺の金で雇ってるわけじゃないけどな。


『この畑なんですが、植え方が気になって……』

 なるほど。それで悩んでたのか。てっきり何者かに落とされた矢傷がある野菜が気になってたのかと思った。


「ああ、勝手にやってくれて構わない。適当に植えただけだからな。それで相談なんだが、ウサギ小屋って作れるか?」

『小さいものなら』

 6匹だからな。小さくても良いだろう。


「木材は適当にあそこに積んである物を使ってくれ。入れるのはラビット6匹だな。それ用のサイズで頼む。後……」


 ここで蜂小屋も頼むのはどうだろうか。というより生半可な小屋では食い破ってあの蜂逃げそうだな。

 一体どうすれば……というかこんなの買ってどうするつもりだったんだ俺は?


 高かったが野に放つのが一番の最善策かもしれんな……確かこの森に住んでるんだよな。彼も大切な家族がいるだろうし。ここで逃したら後で恩返しに来てくれるかもしれない。


 ……恩返し。

 放っておけば森に帰る。それを追跡して、巣を見つけたら……経験値プラス蜂蜜が手に入るかもしれないな。

 そうだ。それにしよう。



 では行こうか。という前に初期装備ではあれだからな。えるるのところへ行こう。1人で狩るつもりはない。一応だ。危険な森の中に行くんだからな。

遅れてすみません。

ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ