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狙撃手の日常  作者: 野兎
王都解放戦
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147 第二職業

 お昼を食べ終わった師匠は颯爽と帰っていった。その姿は死地に赴く達観した兵士のようでもある。共通点はどちらも感情を押し殺して気丈に振舞っているという点である。それが眠気か、死への恐怖かの違いはあるが。


「ヴィルゴさんは既にダンジョンに入ってるみたいです」

 一緒に行こうとしたらもうダンジョンの中か。情報をつかむのが早いな。


「行く気があるのなら行ってくれれば良かったのにと言っていましたが」

「もしかして知らなかった俺達が悪いのか?」

 というかカラコさんが知らないというのは珍しいな。俺のように忘れていただけかもしれないが。


「じゃあ、ワイズさんに連絡してみますね」

 ワイズさんもなんだかんだ言ってこれないだろう。来た試しがない。



「それより先に第二職業を選ばないのか、と来ました。どちらにしろ神殿に行かなければならないようですね」

 わ、忘れてた。第二職業という厄介なものがあったとは……。


「カラコさんは何にするの?」

「当初の予定では、暗殺者でしたが……今は出た選択肢の中で選びたいと思います。どんな条件を満たしているかわかりませんから」

 そうだな。俺の方は狙撃手と相性は良いものにしよう。

 間違っても前衛用のものは取らないよういしよう。ソロじゃないんだから。


 となると選択肢は魔法使い系か、弓術士だな。


 今考えてもしょうがないことだな。

 神殿に行ってから考えよう。




 はい、神殿に到着しました。道に迷わなかったのはカラコさんのおかげといってもいい。

 俺1人だったのなら確実に辿りつけなかっただろう。未だに地図機能を活用して場所を登録するという行為を試していない。2回目に来た時は登録するのだが、1回目で取り敢えず登録しておくのが面倒くさいのである。



 神殿はまだNPCで賑わっているが、プレイヤーも少しいたりする。

 ダンジョンに入るのか、それとも職業を選びに来るのか。大体は後者だったりする。どこかの家電量販店のようにプラカードを持っている神官さんがいるのが全体的なイメージをぶち壊しにしている。が、元は信者しか来なかったような寂しいダンジョンなのだろう。NPCの冒険者というのもほとんど見ないし、プレイヤーとNPCが一気に押し寄せる事態なんてことは昼の神殿設立以来の大惨事だったりするのかもしれないな。



 職業紹介所と書かれた方へ向かう。大量のニートならぬ冒険者達。

 別に今無職なわけではないんだけど、何だかドキドキしてしまう。



『えー、大学卒業からVR内にのめり込み身体を壊して入院と……これに関して何か?』

『あ、ありません』

『キミ社会なめてるよね。こういう経歴でうちの会社入れると思ってるの?』

『頑張りますから、何卒……』

『おい、つまみ出せ』

『う、うわああああああああああああああ』



「シノブさん? 大丈夫ですか? シノブさん?」

「ああ」

 つまらない妄想をしてしまった。ログアウトしたらランニングでもしよう。と今は思っているのだが結局はしないんだけどな。



 それもこれも列が長くて暇なのが悪い。俺のせいではないのだ。



「ではシノブさん、きちんとしたものを取ってくださいね。もし決められないようだったら私も相談に乗りますので」

 俺はどう思われているんだ?

 そんな変な職業を取ると思われているのだろうか。



 数ある小部屋に入ると中には水晶球がある。

 それに触れると職業が出るらしい。あえて触らないという天邪鬼な選択はない。時間を無駄にするだけだろう。


 水晶の表面に様々な職業が出てくる。

 弓術士、戦士とかの他にもレアっぽいものがある。


 炎術師、夜の神官、風術師、養蜂家、土呪術師、森呪術師、火の神官、神殺者とかだ。


 まあ、レアとかは置いておくとして。

 カラコさんの言っている通り、それっぽいのを選んで行こう。


 弓術士、魔法使い、炎術師、森呪術師が戦闘面では候補といえる。

 生産面では、薬師、料理人、養蜂家がまた候補となるな。


 この中から俺が将来どうしたいかを考えなければいけないのだろう。


 例えば弓術師を選んだとしたら、神弓を主に使うような戦い方になるだろう。今と同じだな。

 魔法使いを選ぶのなら、弓の代わりに魔法を多用するような戦い方になるだろう。炎と森に特化するのなら、炎術師か森呪術師を選ぼう。


 そして師匠の元で更に料理を精進するのなら、料理人になるべきか。




「シノブさん、決まりましたか?」

 俺がうなっているとカラコさんが部屋に入ってきた。早いな。


「俺の手が広すぎてどれにするか決められない。カラコさんは?」

「私は暗殺者を選びました。他にも職業はありましたが、やっぱりこれになるためにステータスを上げてきましたから」

 しっかりとビジョンがあっていいな。

 俺はそんなことすら知らなかった。


「シノブさんも狙撃手の職業の特性と相乗効果が出るような職業に就けばいいんじゃないですか?」

 相乗効果か。

 狙撃手は確か遠距離攻撃の射程が長くなる職業だったな。

 それを考えるとやはり弓術師が1番良いのだろうが。武器を縛られるというのは何か俺のスタイルに合っていないような気がする。



「この追跡者っていう職業ってなんなの?」

「隠密系と追跡系のスキルの特化ですが……」

 安心しろよ。取らないよ。

 それに隠密スキルなんて神弓展開したら、一発で解けちゃうもんな。



「よし、これに決めた」

 俺は1つの職業を決めた。





「森呪術師ですか。樹人と合っている感じですね」

「俺は森の中で無双する!」

 決めた理由は樹人だと木魔法にボーナスがつくというカラコさんの情報からだ。そんなの知らなかった。けど、最近になって発見された事実も多いらしい。是非とも検証チームには頑張って欲しいものだ。



「では行きましょう」

「カラコさんに取っては初めてのダンジョンか」


 俺も普通のダンジョンは初めてだけどな。一体どういうものが出てくるのか。

 よし、新しく生まれ変わった俺をモンスター共に見せてやろう。




種族:半樹人

第一職業:狙撃手 Lv40

第二職業:森呪術師 Lv1

称号:神器の使い手

スキルポイント:74


 体力 :100(↑10)(-35)

 筋力 :30

 耐久力:50(↑10)

 魔力 :150(↑40)(+88)

 精神力:150(↑40)(+49)

 敏捷 :30

 器用 :90(+82)


文字数を減らして更新頻度を維持したいと。

ありがとうございました。

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