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051. お礼

「濃いと、何か問題が……?」


 怪我や病気がすぐ治るなら、そんなに良いことはないのでは? と私は言いました。


「急激な体の変化は逆に命を危うくする! 知らんのか⁈

 成長期にだって体がミシミシ音を立てるように痛いだろう⁉︎」


 いや、私の成長期はきたのかきてないのかわからない程度だったのでその感覚はわかりませんが……。

 と、思ったことは横に置いておいて。


「そう……ですね……!」


 下手に思ったことを言ってしまっては、私がこの世界、時代の人間ではないことが判明してしまいそうで。私は慌てて同意の言葉をつぶやきました。


「その小瓶の数滴で良い! それで、お前も飲め!

 傷をどうにかする当てがあるとはそれのことなのだろう……?」


 急速に勢いが治まり、最後の方では先ほどまでと同じテンションに戻っていて。

 随分とアンガーコントロールのできている人なんだな、と私は苦笑しました。


「ありがとうございます。じゃあお願いします」


 私は改めて小瓶を男に渡しました。


 そのまま飲んだらどうなっていたのか、という好奇心は心の中にそっとしまって――。


 そして少女と共に、聖水を混ぜた水をコップに一杯いただくと、その効果は目に見えるほどに凄まじく――


「……!」


 少女の顔色はみるみるうちに良くなっていき、私の傷は痛みがスゥッと引いていきます。


「痛みが少しは引いたか?」

「少しどころか――全く感じません……!」


 痛みが引いて気が付いたのは、その部分が熱を持っているらしいということ。


「少し時間をおいてもう一杯飲むといい。それで完治するだろう」


 ――凄まじいんですね……フルパワーの聖水の力って――!


「――ありがとうございます」

「……こちらこそ、だ」


 男は少し照れたように頬をかきながら目を逸らします。

 ふと見ると、隣に座る少女は先程よりもずっと明るい顔をして、私を見ていました。


「ありがとう、お姉ちゃん!」

「――いいえ――

 よかったら、龍石神社にお礼参りに行ってあげてください。

 この水はそこでいただいたものなので」


 少しでもお参りに行く人が増えれば、龍石……クロも、もう少し長生きしようと考えてくれないかしら、と。ちょっと下心を持ちながら、私は言いました。


 すると男は、眉根を少し寄せて何か悩んでいるかのような表情で小さく呟きます。


「……わかった」

「私も絶対に行くわ!

 でもその前に……お姉ちゃん、私を治してくれて、本当にありがとう」


 すっかり顔色の良くなった少女は、キラキラとした笑顔を見せてくれます。

 そしてポケットに手を入れて、何かを取り出しました。


「これはお礼よ」


 そう言って手渡されたのは、少女の拳くらいの大きさの白っぽい“石”のような物。


 窓から差し込む光がその石を通り、私の掌に落ちます。どうやら表面がザラザラしていて白っぽいだけで、研磨したら透明度が高そうです。

 そしてなにより手に受け取った瞬間の、心地よいひんやりとした感触に、何故だかそれが“水晶”だと、確信しました――


「こんな……綺麗な石、もらって良いの?」

「うん!」

「この土地に来るまでに拾った石だ。よかったらもらってやってくれ」


 良く見ると、石自体もふんわりと光を放っている気がして、私は何度か瞬きをしました。


 やっぱり光ってる――


遅くなりましてスミマセンーーー!!!


さて次の更新ですが。。。

日本へ一時帰国するためいつになるかわかりません!


続きが気になるので、書き続けはしますが。

文字数が1話分に到達できるかわからない( ;゜³゜);゜³゜);゜³゜)



ということで。次回の更新は

遅くて1月5日(月)になります。



それではみなさん、良いお年を〜ヾ(๑⃙⃘´ꇴ`๑⃙⃘)ノ

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