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最強の傭兵〜VRMMOでも世界最強?〜  作者: ハロウィン
第2階層
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過去①

__16年前

 16年前の恭弥は大学3年で、事件が起きたその日も大学にいた。恭弥は人とのコミュニケーションが苦手で人とあまり接せずに大学生活を過ごしていた。

「まずー!!!まずい!!まずい!!まずい!!まずい!!これまずいぜ、恭弥」

 1人の男が人目も気にせず大声で話しかけてきた。

「へー」

 入学当初から唯一恭弥に話しかけてくる男の名前は津出大輝つでだいき。恭弥以外に大学を孤独で過ごしている人の1人である。恐らく、大輝は恭弥をボッチ仲間だと勝手に認識して話しかけていたのであろう。恭弥は最初の方、津出大輝のことをうざがっていたが、段々諦め、なんだかんだ大輝に付き合うことも増えていった。

「今日、俺んちでアニメ見ようぜ!」

「いや、今日はもう帰る」

「構わーん!!オレが許す!」

 1人だけテンションが高い大輝は、素っ気なく返事する恭弥を気にしていない様子である。周りから見たら大輝が一方的に話しかけており、仲が良いようには見えない。それでも、恭弥にとって大学で友達のように接していたのは大輝くらいだった。そんなこんなで、恭弥はその日、1人で暮らしているアパートに帰った。


(あーあ、またバイト、不合格か…)

 普通の大学生活は、バイトや遊び、勉強などで人生を楽しんでいる人々がほとんどだろうが、恭弥はアパートでテレビをつけ、スマホを見ながらゴロゴロとしていた。恭弥はコミュニケーションが苦手なせいで、バイトの面接で受かった試しがない。

『………今日は香川県さぬき市に来ており…………』

__パッ

 適当に流していたテレビが急にニュース番組に切り替わった。

『緊急速報です!先程、東京都千代田区でビルが倒壊したとのこと。ビルの中や近くの道路にいた人達は倒壊に巻き込まれ、およそ100人の死者とおよそ400人の負傷者が出ております!今、分かっている死傷者は………』

(東京か…父さんと母さんがちょうど行ってるじゃん)

 スマホを見ていた恭弥は、ビクッとなるような音が流れたテレビの方に顔を向けていた。

『………28歳の今村芳佳さん、46歳の伊黒伸弥さん、44歳の伊黒友香さん、54歳の加藤一さん、48歳の諏訪浩二さん。続いて、負傷者です。……………』

「は?」

 少し気になりながらもスマホをいじりながら、なんとなくテレビの声を聞いていた恭弥は、聞き覚えのある名前が耳に入ってきて、驚きのあまり声を出した。

(今、父さんと母さんの名前が…)

 まだ自分の耳を信じられない恭弥はテレビを見る。そのテレビにはもう死者の名前はなく、今読まれている負傷者の名前が映っている。

(いやいやいやいや、聞き間違いだろ…)

 恭弥はもう一度テレビで死者を読み上げられるまで待てない様子で、何か情報はないかとスマホで調べ始めた。

__ブーブー

 そんな恭弥に電話がかかってきた。

(こんな時に誰だよ…ッ)

 恭弥は言わそれどころではないとイライラしながら電話に出た。

「お兄ちゃんッ!」

 電話をかけてきた相手は智美だった。

「智美か!今、テレビで…!」

「そのことなんだけど、今、警察からッ…」

「まさか…」

「お兄ちゃん、私どうすれば…」

 智美は涙声に変わり、上手く言葉が出てこないようである。

「…ッ、今家だろ?」

「うん…分かった」

「一応、電話繋げとくからなんかあったら言えよ」

「うん」

 恭弥は必要最低限のものを持ってアパートを飛び出た。そして、道中、少し落ち着いた智美から詳しい状況を聞きながら、実家に戻った。その後、警察に連れられ、遺体の確認などをし、恭弥と智美は両親の死を改めて実感した。しかし、聞き取りや葬式などで悲しめる時間も短かった。


「これからどうすんね?恭ちゃんと智美ちゃんは」

 葬式なども終わり、恭弥と智美は落ち着けるようになっていた。そんな2人に実家のもう1人の住人である祖母が話しかけてきた。

参考文献:○常、ナ○ト

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