トーナメント戦⑨
「第5回戦第2試合、功績値6位のDD選手と功績値9位のノブナガ選手の試合を始めます!」
兎さんの合図により決勝戦へ進むもう1人のプレイヤーを決める試合が始まった。
「DD師匠、お手合わせお願いするでござる」
ノブナガがDDに話しかける。
「待ってたぜェ‼︎この瞬間をよォ‼︎」
DDは何か変なポーズをとりながら答える。
「そういえば、またメンマのことを揶揄ったでござるな?メンマは信じやすいのだから、あまり嘘を言わないであげてほしいでござる」
「…そんな昔の話は忘れたよ。大切なのは今なんだよ」
「それは、そうでござるが…」
「さぁ、始めようか…宴の時間だ」
相変わらず少し会話が成り立たないDDがそう言い放ち、2人のバトルが始まった。
DDは一直線にノブナガへ突っ込んでいく。
「【一閃孤月】!」
ノブナガが刀を薙ぎるように振るうと斬撃がDDに向かって飛んでいく。DDはズザーっとスライディングするようにして、身を低くして斬撃を避けながらそのままノブナガへ突撃する。そして、刀を振るって伸ばしきったノブナガの腕と腹に両手に持った2つの刀を振るう。
「【納刀】!」
ノブナガは刀を勢いよく鞘に戻した。それと同時に猛風が起き、攻撃を加えようとしていたDDは少し吹っ飛ばされた。2本の刀を地面に刺し、DDはほとんど後ろへ下がらずに踏ん張る。そして、DDは後ろに下がる勢いが止まると地面に刺さっている2本の短刀をノブナガへぶん投げる。投げられた短刀はノブナガへと一直線に飛んでいく。その刀をノブナガはカキィンカキィンと弾く。その間にもDDは間合いを詰めている。そして、DDはノブナガの首に2本の刀をノブナガの両肩に振り下ろす。それはノブナガの予想内といったとこだろう、ノブナガは刀で受け止める。しかし、DDの狙いはそれだけでは終わらなかった。
__ドシュッ
ノブナガはDDの振るった短刀を受け止めたはずだが、ダメージを受けていた。足である。ノブナガは足にダメージを受けていた。よく見るとDDの腰にあるはずの4本の短剣が投げた2つの短剣を除いて、2つあるはずだが1つだけしかない。もう1つはDDの靴にあった。あらかじめ靴底に仕込んであった短刀でノブナガの足を突き刺したのだ。ノブナガはそこまでダメージは入っていない様子で、フンッとDDを振り払うように、受けとめていた短刀を弾き返すと同時にDDの首に刀を振るう。DDはバックステップで避ける。
ノブナガはすぐさま換装し、甲冑から袴の装備に変更した。
「【円方領域】」
ノブナガの最強の構え、【円方領域】はいわゆる最終手段である。強敵が相手なら大体発動するスキルだが、今は【円方領域】を使う戦法はいつもよりぴったしな状況である。【円方領域】は基本的に待ちの構え、自分からは動かない。足にダメージを受けている今のノブナガにとって、【円方領域】を使用する戦法がピッタリだろう。
ノブナガはサークルの中で左手を鞘、右手を柄に添えて構えている。そんなノブナガに向かって一直線に突っ込んでいくDD。そして、DDがノブナガの領域に踏み入る。その瞬間、ノブナガは一瞬でDDの元へ移動し、刀を振るう。ノブナガ、DDそしてメンマは同じクランである。そのため、前の戦いでメンマはノブナガの癖を読んでいた。その反省を生かして、ノブナガはDDの腹部を狙う。
__ザシュッ
ノブナガの刀はDDの腹部を切り裂いた。しかし、DDはまだHPが残っているようである。
「決着ゥゥーーーーッ!!」
DDはそう叫び、短刀をノブナガの首に振るう。ノブナガは逃げようとするが、振るった刀をDDが手で掴んで離さない。刀は武士の誇り、ノブナガに刀を離して逃げるという選択肢はない。ノブナガはそのまま、DDに滅多刺しにされて、ノブナガとDDの試合はDDの勝利に終わった。
参考文献:疾風伝説 特攻の○、ワン○ース、鬼○の刃、ジ○ジ○の奇妙な冒険




