黒兎狩り
VRMMO「アムシュターク」をプレイしている元傭兵の伊黒恭弥は、とある小さい鍛冶屋で素材持ち込みで安く装備を作ってもらえることになった。必要な素材とお金を集めるために北の森に向かっていった。
北門を出て、しばらく歩くと森が見えてきた。
(ここに黒兎がいるんだよな…よしっ!)
そう意気込んで、恭弥は森に入っていった。
背後にガサッと草むらが揺れる音がして、恭弥は咄嗟に体を左に捻って、突っ込んできた何かからギリギリで避けた。突然、襲いかかってきたのは今回の獲物の黒兎だった。
(こいつが黒兎か…白兎より断然速いな…でも、全然対処できるな。)
さっきは、不意をつかれたので危なかったが、AGIだけなら、恭弥の方が普通に速いようである。突進してきたところにカウンターを入れる、その攻撃パターンを繰り返して、黒兎を見つけては狩りまくった。
数時間後、、400匹目の黒兎が赤いエフェクトにかわった時
《スキル【手刀】を獲得しました》
頭にスキル獲得を知らせる音声が流れた。詳細を確認してみると
◇◇◇
【手刀】 素手で対象を切る事ができる。STR次第で、切れる対象の限界が決まる。
取得条件
500匹以上の敵を素手で倒す。
◇◇◇
素手で攻撃する恭弥にとって便利そうなスキルの様であった。
(よしっ、あと100匹くらい狩れば十分だろ。)
その後はスキル【手刀】も使いながら、恭弥は黒兎を狩っていった。
(えーっと、黒兎の毛皮54枚か…これくらいでいいかな…次は、金集めだな。)
恭弥は、森を出る途中で修練場の教官から聞いた情報を思い出していた。
(金を稼ぐなら、ダンジョンがいいって言ってたよな…
教官が言ってた[大蛇の洞窟]ってとこに行ってみるか。)
そうして、次にやる事が決まった恭弥は、マップを確認しながら、[大蛇の洞窟]に向かっていった。
[大蛇の洞窟]は、今解放されている第一階層にあるダンジョンの中では、中くらいの難易度であるが、推奨レベルは15、推奨人数は3人であった。
「ここかな?」
[大蛇の洞窟]にたどり着いた恭弥は、このダンジョンのレベルも知らずに、能天気な顔で洞窟の中に入っていった。
プレイヤー名:クロ
Lv 11
HP 45/45
MP 35/35
【STR 0〈+35〉】
【VIT 0〈+5〉】
【AGI 0〈+50〉】
【DEX 10〈+5〉】
【INT 15 〈+5〉】
装備
頭【空欄】
体【空欄】
右手【初心者の杖】
左手【空欄】
足【空欄】
靴【空欄】
装飾品【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル ファイヤーボール
器用貧乏
手刀




