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最強の傭兵〜VRMMOでも世界最強?〜  作者: ハロウィン
第1階層
42/152

第2階層へ③

 恭弥は第2階層へ行くために、黒い大きな骸骨人スケルトンと戦っていた。何とか相手のHPを半分まで削ると、様子が変化した。

 前に経験した[不死者の巣窟]の時とは違い、最初の黒い瘴気によるステータスダウン以外は、デバフはない様であった。それでも、黒い瘴気を纏った骸骨人スケルトンは、さっきまでとは違う威圧感を出していた。


 再び、動きを伺っている恭弥に対して、骸骨人スケルトンは剣を振り下ろしてきた。

(チャンスだ!)

 恭弥はさっきと同様に腕の下を通って、近づこうとした。しかし、振り下ろされた剣と共に黒い瘴気が結合してできた様な刃も複数、地面に降り落ちてきた。それは、腕下も例外ではなかった。恭弥は咄嗟のバックステップで避けることができていた。


(うまく近づけねーな。あー、魚食べときゃ良かった…)

 【調理(中)】によるバフ効果があれば、もっと楽に倒せていた事は間違いないが、もう遅い話である。そんなくだらない事を考えている恭弥に骸骨人スケルトンは、容赦なく攻撃をしてくる。恭弥は避けながら、どうダメージを与えようかと思考を巡らしていた。


 そして、恭弥は何かを思いついた様な顔をして、骸骨人スケルトンが剣を振り下ろすと、また骸骨人スケルトンの腕の下を通って骸骨人スケルトンに向け走り出した。やはり、黒い瘴気の刃が振り落ちてきて、恭弥はまたしても後ろに下がった。

 だが、今回はそれだけでは終わらなかった。骸骨人スケルトンの懐で爆発が起きて、骸骨人スケルトンのHPが削れていた。恭弥の左手には、杖が装備されていた。


(“置き土産”と名付けよう。)

 最初より余裕が出てきたのか、変な事を考えている恭弥。恭弥は避ける前、スキル【火炎系魔法】を利用して、衝撃を与えると爆発する火の玉をセットしたのだ。そして、黒い刃が、恭弥ではなく、その火の玉に当たり爆発が起きたのだ。恭弥が傭兵の時も、手榴弾を利用して似た様な手段を使っていた。


 骸骨人スケルトンは怒った様子で、今までより後ろに下がっていた恭弥に近づくと、また恭弥の手前で大きな爆発が起きた。恭弥は、下がるとすぐにその場に地雷トラップを仕掛け、もっと後ろに下がっていたのだ。骸骨人スケルトンは、爆発が直撃し、大きなダメージを受けていた。恭弥が、骸骨人スケルトンの上に表示されているHPバーを確認すると残り20%くらいにまで削れていた。


(よしっ。)

 恭弥は、杖をしまい、手負いの骸骨人スケルトンに突っ込んでいった。骸骨人スケルトンはそんな恭弥にすぐさま反応して、盾を構えた。盾で防げない部分は、黒い瘴気が壁の様に連結して、大きな盾となり、恭弥の行く道を塞いできた。だが、恭弥は躊躇う事なく、地面を蹴って突っ込んでいった。


 そして、恭弥はそのまま、盾に渾身の右ストレートをかました。恭弥の拳は恭弥の体よりも大きい盾を粉々にしていた。スキル【魔闘法】で盾のVITを無効化することで、容易に木材でできている盾を壊すことができたのだ。矛VS盾、恭弥の矛の勝利である。


《スキル【武器破壊】を獲得しました。》


 頭に音声が流れたが、気にするそぶりも見せず、恭弥は勢いを緩めずに赤い球体に向かって突っ込んでいき、赤い球体に刺さっていた短刀をより奥へと押し込んだ。


 赤い球体が粉々に砕け散ると同時に、骸骨人スケルトンの体は赤い光の粒子に変わって消えていった。どうやら、倒すことができたらしい。骸骨人スケルトンが消えた所には、宝箱と砕けたはずの大きな赤い球体と消えたはずの黒い骨と黒蛇の短刀が落ちていた。


「はー、終わったぁーーー!!」

 短刀を回収して、そう叫ぶ恭弥の下に、隠れていた智美が駆け寄ってくる。

「お疲れ!お兄ちゃん、じゃなくて、クロの戦い見るの意外と初めてな気がするな〜」

「そういえば、そうかもな…そんなことより、ドロップアイテムの確認しようぜ。」

「…そうだね。」

 恭弥ば恥ずかしかったのか、話題を変えた。いつもなら揶揄ってくる智美だが、今回に限ってはあまり掘り下げなかった。


◇◆◇

ネームプレート×2

魔宝石(特大)

黒宝骨

◇◆◇


 宝箱の中には、透明で、ある形をしたネームプレートが入っていた。そして、クロとクロミ、プレイヤーネームだけがそれぞれに刻まれていた。

「なんでこんな形をしてるんだろうね。」

「さぁな。ドロップした素材も見たことないやつだし、後でアインに色々聞いてみるか…」

「そうだね…あっ、あの魔法陣に乗ればいいの?」

 宝箱の後ろには、大きな青い魔法陣が出現していた。

「そうみたいだな。」

「じゃあ、早く行こうよ!」

 恭弥は両手を上に上げて、体を伸ばしながら、ゆっくりと歩いていた。智美は、魔法陣の前まで駆け足で行き、恭弥を急かす様に待っている。そして、2人は同時に魔法陣へと足を踏み入れた。

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