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最強の傭兵〜VRMMOでも世界最強?〜  作者: ハロウィン
第1階層
15/152

イベント開始

イベントの情報が解禁され、恭弥はイベント当日までレベル上げをすらことにした。一方、妹の智美は「アムシュターク」に興味を持ち、やることを決めた。

そしてイベント当日、恭弥はいつもより早めにログインしていた。

 恭弥は少し早いと思ったが、集合場所のは中央広場に来ていた。

 ゲーム内のファンタジー世界だから、恭弥以外のほとんどは鎧やローブを着ている。スーツ姿の恭弥が目立たないわけもなく、恭弥には誰も近づこうとせずにコソコソと恭弥を見ながら喋っている。

 恭弥は周りの視線がチクチク刺さってくるので、逃げるようにして、隅の壁に凭れかかって待つことにした。


 しばらくして、中央広場の中心にある時計塔から鐘の音が鳴り響いた。音が止むと同時に時計塔の上に服を着てシルクハットを被った兎が二本足で立っていた。


「皆さま!長らくお待たせいたしました!ルールは先日お伝えした通り。時間になりましたら、設定されたフィールドにそれぞれランダムに転移されます!参加をしない方達も、ここ中央広場にてライブ映像を中継する予定ですので、楽しんでいってください!では、もうすぐ時間です。皆さんのご健闘をお祈りします!」


 今回の司会者らしき兎さんがそう宣言すると、集まっていたプレイヤー達が待ったましたとばかりに雄叫びのような歓声をあげた。


 少しして、時計塔の針が2本とも真上を指した瞬間、恭弥を含め、今イベント参加者全員の下に魔法陣が発現し、プレイヤー達が光の粒子のようになって転移していった。


 恭弥が目を開けると、そこはどこか廃墟の中だった。割れた窓から外を見るとそこは建物の上階だったらしく、ある程度フィールドを見渡すことができた。どうやら、今回のフィールドは“始まりの街”の廃墟と化した所だった。


 下の階に降りることにした恭弥は、下の階で何か動く影が見え、考える間も無く、その影に一瞬で近づき首らしき辺りに手刀を数発お見舞いした。


 一方、中央広場では__


「あれ?」

 自分の状況に理解が追いついていないプレイヤーが一人。さっきイベントに参加したはずのそのプレイヤーは、1分も経たない内にリスポーンしていた。


「おい、もう誰かやられたみたいだぜ?!」

「マジかよ…まだライブ映像じゃ戦闘が始まった様子がなかったぞ!?」


 戦闘が起きてないはずなのに1人のプレイヤーがもうキルされていることに、開始早々参観者達は大盛り上がりしていた。

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