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32.長姉と夫の対面

 フェリクスが予備鍵を取って来てくれるのを待って伯爵夫人室の前まで戻った。

 予想はしていたがそれまでの間に執事がフェリクスの所に来ることは無かった。


 確かに前伯爵夫人が倒れているし大公夫人である姉さんもその場に居る。

 それらを放り出して戻って来た伯爵を出迎えるのは難しいかもしれない。

 ただ私は執事のフェリクスに対する優先度の低さが今回だけではない気がしていた。


 だから私やアルマ姉さんへの無礼を差し引いても伯爵家の執事長は入れ替えた方が良いと思う。

 そんなことを考えて歩いていたらアルマ姉さんの後ろ姿が見えた。


「アルマ姉さん」


 私が呼びかけると彼女はゆっくりと振り向く。

 そして私の後ろにいるフェリクスを見ると優雅にお辞儀をした。


「お久し振りね、アンベール伯爵」


 美しい微笑だがその目は全く笑っていない。

 それに気づいたのかフェリクスが固い表情を更に強張らせた。


「……御無沙汰しております、ローランド大公夫人」

「本当よね、だから妹がこの家でどう扱われているか今まで全く気付かなかったわ」


 挨拶を返したフェリクスにアルマ姉さんが更に切り返す。


「マリアンから全部聞きました。リンツも一緒にね。良くも私たちの妹を散々馬鹿にしてくれたわね」

「ローランド大公夫人……」

「確かにマリアンは強引な方法でこの家に嫁いだわ。でもアンベール家にだって見返りが無かった訳じゃない」

「それは……」


 姉の鋭い言葉に対しフェリクスはまともな反論も出来ないようだった。

 元々口が回る人間ではない。ラウルの軽い口と足して割ったら丁度良いのかもしれない。

 当事者なのに二人のやり取りを観察するだけだった私だが、あることが引っ掛かった。


 姉の見返りという言葉だ。

 私とフェリクスは恋愛結婚では無い。

 公爵家の末娘が伯爵家の長男に一目惚れして申し込んだ結婚だ。婚約期間すらろくに無かった。


 望んでない結婚に対しフェリクス側にメリットが与えられるのはわかる。

 しかし見返りの内容を私は知らなかった。

 公爵家がフェリクスに与えられるものって何だろう。

 コネとか金銭だろうか。


 私の内心の疑問を聞いたようにアルマ姉さんが口を開く。


「伯爵家の敷地内に新しく建っていた邸宅、あれも公爵家からの支度金からかしら?」


 その台詞に、成程父はフェリクスに大金を渡すことで私を嫁がせることが出来たのかと納得する。

 その使われ方がよりによってラウル専用の新居か。確かにあの義弟と同居するよりはマシだけれど。


 しかし私とフェリクスの結婚で一番得したのってもしかしてラウルなんじゃないだろうか。

 私は色々と複雑な気持ちになった。


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