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2. やっと街に着いた
「……ふぅ。着いた」
家を出てから歩くこと3時間。町に着いたのは丁度昼時。
町を囲む木の柵の奥からは、美味しい匂いを乗せた白煙がもくもくと上がっている。
「どうも。門番さん」
「おお、お前か」
そんな柵の内外を繋ぐ門には、いつも通り門番さんが立ちはだかっている。
「毎日毎日あんな遠くのログハウスからお疲れさんだな。それも鬱蒼とした森の中を」
「まあ、森林浴も悪くないっすよ」
「ハハハ、森林浴か。たまになら良いが毎日はしんどいぜ。……ところでお前、それが今日の収獲か?」
「うっす。今日は鹿が2頭」
両肩に担いできた獲物を軽く門番さんに見せる。
茶色の毛に白い斑点が入った毛並みの鹿。生え変わり直前の大きな両角は、ハンターズコミュニティで売ればきっと良い値が付くだろう。
「おうおうおう、今日も大猟だな。……その実力を持っていながら、どうしてお前が非公式ハンターのままで居続けるのかが疑問でならねえよ」
「嫌っすよ。正式なハンターになっちゃうと色々人付き合い面倒だっていうし」
「ハハハ、まあそれは事実だがな。……ほら通れ、お前は顔パスだ」
「ありがとうございます」
そう言って門を開く門番さん。
軽く会釈をして門を潜り、町へと入った。




