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ヒヤシンス  作者: 新々
21/22

佳城

 やっほー、おねーちゃん。ひさしぶり。

 いきなりきてびっくりした? 前は、半年後にって約束したけどさ。ごめん、我慢できなかった。

 おかーさんたちはいないよ。ひとりできたの。だから手ぶら。入っていい? いや、ダメっていっても入るけど。


 おじゃましまーす。


 きれいだね。掃除、ちゃんとしてるんだ。

 うん、知ってる。してるんじゃなくて、してもらってるんだよね。だってお姉ちゃん、家にいた時は部屋すごく汚なかったもん。

 あ、安心して。今あの部屋はあたしがちゃんと掃除してるから。

 大丈夫。変なことしてないし。

 押入れもベッドの下も覗いてないよ。

 おねーちゃんがいつ帰ってきてもいいように、そのままにし──っくっちゅんっ!

 えへへ、やっぱり少し寒いね。


 えっと、あの……あのね、おねーちゃん。

 あたし、今度ね、大学受けるんだ。

 うん。おねーちゃんと同じところ。同じ学部で、同じ学科で。おねーちゃんはあたしに好きなことしてっていってたけどさ、あたしの好きなことって同じなんだよね。小さい頃から、ずっと。


 あたし、おねーちゃんになりたかったの。今はじめていうけど。


 おねーちゃんのこと好きだから。

 だから、おねーちゃんになりたくて。

 おねーちゃんと一緒がよくて。

 それをいいにきただけ。

 だから、もう帰るね……本当はもっとゆっくりできたらいいんだけど、そしたらきっと揺らいじゃうから。いろんことが溢れちゃうから。


 でも、一個だけお願い聞いて。

 キス、していい? ううん、させて。


 小さい頃、よく隠れてしたじゃん。

 おねーちゃんが断れないこと知ってていってるのはわかってるんだけど、お願い、一回だけでいいから。


 …………ちゅっ………………ん、ちゅ、ちゅっ…………。


 ごめん、一回じゃ収まらなかった。えへへ。

 好きだよ、おねーちゃん。ずっと、ずっと大好き。


 ……よしっ。元気もらったから、今度こそ帰るね。

 受験生は忙しーの。次は合格の報告しにくるから。おかーさんとおとーさんと一緒に。春の彼岸に。

 大丈夫、今度は約束守るよ。

 絶対合格するから。


 じゃあ……またね、おねーちゃん。 了

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