佳城
やっほー、おねーちゃん。ひさしぶり。
いきなりきてびっくりした? 前は、半年後にって約束したけどさ。ごめん、我慢できなかった。
おかーさんたちはいないよ。ひとりできたの。だから手ぶら。入っていい? いや、ダメっていっても入るけど。
おじゃましまーす。
きれいだね。掃除、ちゃんとしてるんだ。
うん、知ってる。してるんじゃなくて、してもらってるんだよね。だってお姉ちゃん、家にいた時は部屋すごく汚なかったもん。
あ、安心して。今あの部屋はあたしがちゃんと掃除してるから。
大丈夫。変なことしてないし。
押入れもベッドの下も覗いてないよ。
おねーちゃんがいつ帰ってきてもいいように、そのままにし──っくっちゅんっ!
えへへ、やっぱり少し寒いね。
えっと、あの……あのね、おねーちゃん。
あたし、今度ね、大学受けるんだ。
うん。おねーちゃんと同じところ。同じ学部で、同じ学科で。おねーちゃんはあたしに好きなことしてっていってたけどさ、あたしの好きなことって同じなんだよね。小さい頃から、ずっと。
あたし、おねーちゃんになりたかったの。今はじめていうけど。
おねーちゃんのこと好きだから。
だから、おねーちゃんになりたくて。
おねーちゃんと一緒がよくて。
それをいいにきただけ。
だから、もう帰るね……本当はもっとゆっくりできたらいいんだけど、そしたらきっと揺らいじゃうから。いろんことが溢れちゃうから。
でも、一個だけお願い聞いて。
キス、していい? ううん、させて。
小さい頃、よく隠れてしたじゃん。
おねーちゃんが断れないこと知ってていってるのはわかってるんだけど、お願い、一回だけでいいから。
…………ちゅっ………………ん、ちゅ、ちゅっ…………。
ごめん、一回じゃ収まらなかった。えへへ。
好きだよ、おねーちゃん。ずっと、ずっと大好き。
……よしっ。元気もらったから、今度こそ帰るね。
受験生は忙しーの。次は合格の報告しにくるから。おかーさんとおとーさんと一緒に。春の彼岸に。
大丈夫、今度は約束守るよ。
絶対合格するから。
じゃあ……またね、おねーちゃん。 了




