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漢・海原俊哉はラブコメを否定する!  作者: nayaminotake
プロローグ

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第1話

7月に入ったばかりだが、既に真夏の様な日差し...


うだるような暑さに汗が滴る


胸元のシャツのボタンをもう一つ開け中に着ているТシャツを詰まんでパタパタと風を送る...


「はぁ――――あっち――――な――――」


照りつける日差しを目を細めながら睨み付ける俺は


海原かいばら 俊哉としや都内有数の名門高校 立花高校、通称「花高」に通う2年だ


短く切り揃えた金髪にピアス、細い眉毛に鋭い釣り目、犬歯の様に尖った八重歯、180cmの高身長


恵まれてるのは体型だけで自慢じゃ無いが学業はからっきし、その分運動神経だけはずば抜けており根っからの肉体派


幼少の頃より習っていた空手、ボクシング、修斗の影響で腕っぷしにはそれなりに自信がある


実際に‥‥


「うぅぅぅぅ...もうしませんから…許して下さい」


「いでぇ―――いでぇ――」


「コイツ何モンだ‥‥5対1だぞ‥‥」



俺は他校の男子高校生5人が折り重なる様に出来た山の上にドカンと座っていた


「はぁぁお前等、もぐりか?乱校・・・いや違うか、花校の海原って聞いた事ないか?」


(あ、今時もぐりとか言わねーのか?)


「か、海堂!?あの金髪の暴君!!」


「金色の魔王!?」


「金髪のガチンコ・ダウン王者!?」


「金髪!?」


「いや、いくつ仇名あんだよ!つか最後のは仇名じゃないだろ!!」


てな感じで、近隣の学校や町の不良共に少しは名が知れた喧嘩自慢...それが俺 花校の海原 俊哉だ


「馬鹿、花校の海原っていや女子生徒980人の中で男子生徒1人の金髪不良ハーレム野郎だろ!?」


......プチッ


「てめぇ...誰がハーレム野郎だってぇ―――いっぺん死にてぇ様だな...」


「「「「ヒィィィィ」」」」


ボキッボキッと腕を鳴らしながらブチ切れた俺は既にボロボロになっている5人に向かって歩み寄る


「死んでこいやぁ―――――!!!」


右拳を振りかぶり先ほど俺の事をハーレム野郎と馬鹿にした不良男に狙いを絞って突っ込んで行く


「あ―――――!俊哉君ミッ――――け!!」


ドンッ!!!


「どわぁァァァァ」



急に脇腹に強い衝撃を受けそのまま吹き飛ばされる


「いてぇ―――――じゃね――――か!!誰だぁぁぁ!!」


「ニャハハ、私だ!山並 楓だ――――!」


俺の脇腹に華麗なクリーンヒット気味のタックルをかまして来た女子生徒は茶髪ショートでブラウンの瞳が特徴の元気印の無邪気な美少女 花校2年 山並やまなみ かえでだった


「テメェ―――楓、俺に何の恨みが有んだ!あぁぁぁん!!」


俺に抱き付いたままの楓に対し凄んでみる


「もぉぉぉ!俊哉君メっ!!今日の花壇の掃除当番サボったでしょ!!」


「はぁぁぁ何で男の俺が花壇の手入れなんかしなきゃなんねぇ――――んだぁぁ!!」


チッチッチ♪


楓は腰に手をおいて自慢げに人差し指を左右に動かし


「俊哉君今は多様性の時代だよ?男が...とか女が...とか次元の低い事言ってちゃダメだよ」


何だコイツ...マジでウザいし殴りテェ―――


「?!ってアイツ等何処行った!!!」


楓との無益なやり取りの間に先ほどの不良5人は忽然と姿を消してしまっていた


「おい!楓お前のせいで逃がしちまっただろうがぁぁ!!!」


「フフフ、俊哉君昔の人はこう言ったんだよ「二兎を追う者は一兎をも得ず」ってね、勉強になったねぇ―――♪」


「あぁ――――てめぇ俺に喧嘩を売ってんのか?女だからって容赦しねぇぞ?マジで」


「はい、また女だからとか言ってる――――バツバツ、た・よ・う・せ・い...だよ☆♪」


何、ウインクなんかしてんだコイツ...はぁ―――マジでウゼェ――――


「あ、あのぉ――――危ない所を助けてくれて有難う御座いました...えっと海原 俊哉さん...で良かったですよね?」


「うん!私は山並 楓!!楓でも楓ちゃんでも好きに呼んで―――――♪」


「テメェは黙れよ...つか俺の名前なんか憶えていても碌な事にならないからな直ぐに忘れる事だ」


「そ、そんな...私5人に囲まれて本当に怖くて...でも海原さん...俊哉さんが助けてくれて...その本当に助かりました...なんてお礼を言ったら良いか...」


「あぁそういうの良いから、偶々見かけたのが前に俺に因縁つけてきたタコ共だったからちょっと絞めただけだ、お前を助けるとか正直どうでも良いし...話はそれだけだじゃぁな」


抱き付いて来る楓を引き剥がして、その場を去ろうとした


「まっ待って下さい!!あ、あの…自己紹介が未だでした...私、花校の1年 森原もりはら 愛理あいりと言います...そのもし良かったら何か御礼をさせて下さい」


「あ、そういうの要らないからじゃ」


なにやら自己紹介していた女の子は同じ高校に通う1年だった様だ...面倒な事になる前にこの場から立ち去った方が得策だ...





「俊哉‥‥さん‥‥なんて男らしくて飾らない...ぶっきら坊だけど優しい眼をもった方...」


「アレアレ~これはもしや新たなる、海原ハーレムの一員が誕生しちゃったかぁ~ニャハハ」


硬派、海原俊哉が漢を貫き、自分の意志を貫き通せるか・・・ラブコメを否定する硬派男子高校生の波乱万丈の学園生活が今始る



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