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第25話 『その発想』
「助手くん! 何か、妙案は無いかの!?」
ドク博士は、泣きじゃくりながら立ち上がり、助手くんに助けを求めます。
「知りまセンよ。第一、わタしは、こんなタイムマシン、乗りタクもアリマせんし」
「なんじゃと!? 助手くんは、それでも儂が発明した助手くんか!?」
助手くんに冷たくあしらわれたせいか、ドク博士は、昨今窮屈になっている問題発言をしてしまいますが、助手くんは、気づくこと無くこう言いました。
「そもソモですね、搭乗部分ヲ最初からタイムマシンの頂上にスルノなら、昇降梯子トカ取り付けたら良かったノデハ?」
痛い所をつかれたドク博士は、泣くのを忘れるほどに頭に血が昇り、怒声を上げてしまいます。
「何をいうか!? 設計というのは、言うほど簡単で……」
と、そこまで言った時です。ドク博士は何かを思い出したかの様に急に冷静になると、左手で握り拳を作り、右手の平をぽん、と叩きました。
「あ~、その発想は無かったわ〜」
一度、似たような現象を見た助手くんは、既視感的なものを覚えるも、はっきりとこう言います。
「てんどん?」




