表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/87

~第五十七話~勇者、戻る~

はい、今回は別サイドの話となります。

次回は、本編に戻るって感じですかね?

俺がこの国バイトール王国で、やっと思い人を見つけたのに……未だに何所にいるのか? さっぱりと解らなかった。いや……名前は解っているし、バイトール王国に住んでいるんだと思うんだが……せめて家が解ればいいのだがな……肝心の家の場所と言うのが、検討もつかなかった。

とりあえず……名前はナナと言う事が解っているので、確か……ナナと一緒に仕事をしている男がいる事を思い出す。こうなれば……その男を尋問でも何でもして、情報を聞き出そうか……

そんな事を思っていたら


「勇者様、ここにいたのですか」


「ん?」


俺に話しかける者がいた。話しかけて来たのは、魔術師の格好をした女だった。この格好、何か見覚えがあるな……何所だったっけ? けどこの女……俺の事を勇者様って言ったな? 確かに俺は勇者と呼ばれているけど、こいつは誰なんだ?


「お前は誰だ?」


「そういえば名乗っておりませんでしたね。私はセレンディア王国の魔法使いユノンです。勇者殿、セレンディア王国は覚えておりますよね?」


「まあ……それは覚えているが……そのセレンディア王国の者が一体俺に何の用なんだ?」


「では……用件をお伝えします。我が国の国王が、貴方を探しているのです。勇者殿。私と一緒にセレンディア王国に来て下さい」


「何でだよ……もうあの国とは関係無い筈では無かったのか?」


「いえ、王様が貴方に伝えなければならない事がございますので、私は王様の命令で、勇者を探していたのです。私はこの国に辿り着いて、王様と謁見したら、この国に勇者がいると聞いたので、勇者を探していたのです」


「今更そんな事を言われてもな……俺はこの国でまだやるべき事があるんだが……」


「そのやるべき事って一体なんですか? 王様の命令以上の大事な用事なのですか?」


「う……」


ここで俺が、好きな女がこの国にいるから、それを探したいとか言うとどうなるんだろうな……いや、確実に解る事は、却下されると言う事だよな……はあ……


「なあ……その王様の命令で来たんだよな? じゃあ、その命令を聞いたら、俺はまたこの国に戻って来ていいか?」


「それは解りません。王様が何故勇者を呼ぶのか? 私も知らされておりませんので、では、勇者様、私と一緒にセレンディア王国に行ってくれますよね?」


「それって拒否したらどうなるんだ?」


「王の命令に背くと言う事ですか? いくら勇者でもそれは、それは許されないと思いますけど? 私が思いますのは、国家反逆罪が適用されるのではないですかね? 王の命令を無視したとして」


「そりゃそうだよな……はあ、解った……一緒に行けばいいのだな? しかしな? ここからセレンディア王国は随分と離れてないか?」


「はい、それは知っております。だから転送魔法で行くんです。私、転送魔法を習得しておりますので」


「そうか……それならまあ、一瞬だな? 解った、じゃあ……やってくれ」


「解りました、では準備を致しますね」


ユノンがそう言うと、杖を取り出して


「転送の扉よ!今ここに顕現せよ!」

ユノンの呪文が発動して、その場に大きな扉が出現した。


「この転送の扉の先は、セレンディア王国に繋がっております。では勇者様行きましょうか?」


「ああ」


俺はそう言って、ユノンと一緒に転送の扉の中に入る事にした。入った先は、大きめの城の前で、その前に門番らしき兵士が二人いる。突然現れた俺達にユノンが


「ご報告します。勇者様をお連れ致しました」


彼女がそう言うと、門番の兵士は俺の顔を見て「確かに勇者様ですね。では中にお入り下さい」と言って、城の中に入れてくれた。この城の中に入るのも久しぶりだな……と思いながら、謁見の間に案内されると、そこにいたのは、何年も経過したというのに、ほとんど変わっていない王様の姿があった。

王様は、俺を見て


「久しいな勇者よ」

そんな事を言ってきやがったので、俺はこういった。


「手短に用件を言え、何で俺を呼びつけたんだ」

俺がそう言うと、この王様は


「実はの勇者……再び魔王が現れたのだ。なので勇者、再び魔王退治をしてくれ」


「は……? 魔王が現れた……? 魔王は俺が完全に倒した筈じゃないか?」


「それは確かにそうなのだが……でも復活したのは間違いはないぞ。ある男がやって来てな? そいつは魔王城跡地に向かったんだそうだ。で、そこで相方が奇妙な本を見つけたらしい。その本の力で闇の力が増幅されて、姿が変わったんだそうだ。で、その姿が変わった者を自ら魔王と名乗ったみたいなのだな。だから……魔王は復活したみたいだと思われる」


魔王が復活……? そういや……俺が魔王を切り飛ばした時、奴は言っていたな?

「っく……我は滅ばん! いつか再び復活するのだ……!!」って……じゃあ、その宣言どおりに復活したって事かよ? で……俺は勇者って事になってるしな? その復活した魔王を退治しに行かなければいけないのか? けどな……


「王様……その復活した魔王がいる事は本当なのか?」


「それは本当みたいだぞ、その魔王が何所で何をしているか解らないが……このままにしとくと、世界が滅ぼされるかもしれないのだからな? だから勇者、魔王退治に向かってくれ」


「いや、何所にいるか解らないって言ってるじゃないか。その何所にいるか解らない魔王に対して退治しに行って来いとか、かなり無茶ではないですかね?」


「そうだな……では、ユノン」


「っは」


「お前は、魔王の情報を集めてくれ。勇者よ。お前にこれを与える」


そう言って王様は、ある機械を渡してきた。


「これは?」


「魔導通信機だ。これの片方をユノンに持たせるから、ユノンから受け取った情報を頼りに魔王退治に出発してくれ。では、ユノン、任せたぞ」


「了解であります。では……いってまいります」

ユノンは、そう言って杖を取り出して


「転送の扉よ、顕現せよ!」

転送の扉を出現させてから、ユノンが


「では……手始めにサバルクの町に行って参ります」


「了解だ」

ユノンがそう言って、転送扉の中に入っていき、扉が閉まってから数秒後、その場から扉が消滅した。


「では、頼んだぞ? 勇者よ」


「それって断ったら駄目か……やっぱり?」


「断る気なのか? 勇者?」


なんか凄い目で睨んで来やがった。これは断れないよな……? そんな事を思っていると


「お父様? 誰かいらっしゃって……って、貴方は……」

その場に現れたのは、この国のお姫様だった。えっと……久しぶりに会うけど、このお姫様……未だに俺の事をどう思ってるんだろうな……とか、そう思っていたのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ