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~第四十七話~元勇者、帰宅する~

はい、本編の続きです。

また、時間が出来たら、続けて行こうと思います。

宿屋で一泊した後、バルバさんと合流して、私達は宿屋の外に出る。

私達がいるのは、港町ブルシーヌと言う町で、港町と言うだけあって、海が近くて、船が何隻も泊まっているのを確認出来た。あの船って、一体何所に向かうんだろうな……とか、思ったけど、まあ……乗船する事は無いと思うので、特に気にしない事にした。


「さてと……これからどうするかだが……この町で何がしたいかね?」


バルバさんがそう言って来たので、何がしたいか……?を、考える事にした。

せっかく港町に着たんだし……何か珍しい物とかあるかも知れないな……と思ったので


「じゃあ、何か珍しい物とかあったら、見てみたいですね」


「あ、それ、私もですね~港町だから、色々な物とかありそうですし」


「そうか……じゃあ、とりあえずうろうろしてみる事にするか?」


「はい」


そう決まったので、私達は港町ブルシーヌの町の中を移動する事にした。

夜に来た時とは違って、色々な人達がいて、結構賑わっている風に見える。

とりあえず……フードを被って移動しているけど……これはフードを取っても大丈夫なのかな?

私は試しにフードを取って、自分の髪の色を人々に見せてみる。

フードを取っても、特に目立つと言う風じゃなかったので、ちょっと安心した。ブルシーヌの町の中を移動中、あるお店を見つけたので、そこに立ち止まって見る。そのお店は、魚を売っているお店のようで、色々な魚が水槽みたいな箱に入っていた。なんか……紫色の魚もいるんだけど、これももしかして売っているのか?って、ちょっと思ってしまった。


「あ、なんか珍しい魚を売っているみたいですね?」


「お、本当だな……ムラサキサンもあるとはな? 品揃えが豊富だな、この店は」


「ムラサキサン?」


「あ、ナナさんは見た事無かったですか? 確か……東方の国で売られている食用の魚ですよ? 切り身として見た事はありますけど、生きているのはここで初めて見ましたね」


「そうなんだ……」


……食用……なのか……この魚……全くおいしそうに見えないな。そう思っていると、娘のリアネが


「お母さん、このお魚、ちょっと食べてみたいかな?」


何ですと? 食べてみたいって言ったよ、この子……ここは、どー言えばいいんだろうか……


「じゃあ、私が購入する事にするかな? 店主、このムラサキサンを使った料理って、何があるんだ?」

バルバさんがそう言うと、お店の店主が


「このムラサキサンは、ムラサキサン焼きがありますね、こちらになります」


そう言って、焼き魚を出して来たので、バルバさんが購入したみたいだった。購入した後、バルバさんが私達にプレゼントしてくれたので、ムラサキサン焼きを娘と一緒になって、食べて見る。味に関しては、見た目は凄かったけど、甘くて結構美味しかった。リアネも「おいしい~」って言っているし、満足したみたいだった。ついでにその店で土産用に何品か購入して、店を後にする。


「とりあえず……色々と購入したから、そろそろバイトール王国に戻るとするか?」


「そうですね、私はそれでOkですよ? ナナさんはどうです?」


「私も大丈夫ですね、あの……」


「ん? 何だ?」


「戻る方法って、どうやって戻るんですか?」


「そうだな……また魔法馬車で戻る方法にするか、それとも転送魔法で戻る事にするか……どっちの方法がいいと思う?」


そう言われて考える。魔法馬車で、またゆったりと移動するのもよいけど、転送魔法と言うのも気になったので、今回はこう言う事にした。


「じゃあ、転送魔法で戻る方法にします」


「解った、じゃあ、準備するからちょっと待っててくれ」


バルバさんがそう言って、準備するみたいだった。

数分後、準備が出来たからか、こう言って来る。


「さあ、準備出来たぞ、私の傍から離れないように」


「解りました」

バルバさんにそう言われたので、私達は、バルバさんの近くにいる事にした。そして……バルバさんが呪文らしき言葉を言う。


「転送の扉を、今、ここに顕現せよ!」


そう言った瞬間、バルバさんの目の前に、魔方陣が現れて、その中から大きい扉が出現した。


「さあ、この扉の向こうは、バイトール王国に設定しておいたぞ、時間が限られているから、早速、扉の向こう側に行くぞ」


「はい」


時間が限られていると言う事は、時間が立つと、この扉は消滅するって事なのか……時間制限があるみたいなので、私達は、急いで扉の中に突入する。突入した後の景色は、確かに、バイトール王国の目の前だった。私達が扉の中に入った後、魔法の扉が閉じていき、その扉が消滅した。

なんか……凄い便利な魔法だな……これは是非、覚えたい魔法だな……と思ったので、バルバさんに


「バルバさん、この転送魔法って、私でも覚えられますか?」


「うーむ……そうだな。ナナには難しいのではないか? これは、魔道書、転送扉の章を解読しないと覚えられない術だしな? それに……この魔法はかなり魔力を使うから、私でも一日に2回ぐらいしか、出来ない術なのだ。ナナは……魔法が使えるのかね?」


「いえ……全く使えないですけど……」


「そうか……なら、覚えるのは難しいのではないか?」


「そうですか……」

そうか……覚えられないのか……結構便利な魔法なんだけどな……もし、覚えられるとしたら、覚えてみたい魔法だな……と、思ってしまった。


「うむ、とりあえず……バイトール王国に戻って来たので、ここで解散するとしようか、明日から、また仕事があるから、二人とも、よろしく頼むぞ? それではな?」


「あ、はい、今日はありがとうございました、バルバさん」


「ありがとうございました」


バルバさんに礼を言った後、バルバさんと別れて私達だけになった。


「ナナさん、私もここでお別れしますね? また明日です」


「あ、うん、また明日ね?」


「はい、では、リアネちゃんもさようなら~」


「さ、さようなら……」

タマコもそう言って来たので、ここでタマコと別れて、私達家族だけになった。


「リアネ? 私達も自分の家へと戻りましょうか?」


「うん、お母さん」

そう決めて、私はバイトール王国に入るので、フードを被り直して、自宅へと戻る事にしたのだった。


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