お仕事紹介 ~異世界転移して冒険したい方にお勧めします~
これはネガキャンではありません。
私は自分のお仕事大好きです。心の底からお勧めします。
本当です~( ;∀;)
※強調すればするほど、真実味が……
私はフリーランスのエンジニアです。電気設備の保守点検を生業としています。数十件の現場を巡回します。
山奥にある、太陽光発電設備の点検のお仕事の様子をご紹介。
豆情報ですが、太陽光発電設備の点検は単価が高いので同業者たちの間で人気があります。
まずは山のふもとのコンビニでトイレを済ませます。
発電所の近くには、店はもちろん民家もありません。
自動車で山の中腹まで登ります。
途中から歩きになります。
私の車は普通の軽自動車なので、山道は途中で動かなくなる可能性があるからです。
リュックサックに試験機と記録用紙、スマホの充電器と麦茶のペットボトルと塩飴とキャラメルを入れます。
チョコレートも入れたいのですが、夏場は融けてしまうので我慢です。
自動車のフロントには、携帯番号と戻る予定の時間を記入した紙を貼り付けます。
万が一、途中で遭難した時に近所の方に通報してもらう為です。
自動車の付近に民家はありませんが、何もしないよりはマシです。
身支度をします。
長袖長ズボンの作業服。
感電防止のための革手袋。
蜂よけのために白いカッパも着込みます。夏は蒸れますが、仕方ありません。
藪の中も歩くのでゴム長靴も履きます。
夏は暑いです。熱中症予防のために塩飴とペットボトルはこまめに口にします。
いよいよ、出発です。
スマホで事前にダウンロードした音楽を大音量で流し、歌いながら歩きます。
カラオケの練習とクマよけです。
ご近所さんに見つかったら恥ずかしいですが、人影は皆無なので問題ないです。
現場につきました。
まずは周囲を確認します。
鹿やカモシカは人を見ると逃げますが、サルは好奇心旺盛なので寄ってきます。
引っ掻かれると危険なので、警戒は怠りません。
以前に建築中の現場に、タヌキが迷い込んできました。
電気工事屋さんたちが、大騒ぎして写真を撮ってました。
若い人は、タヌキが珍しいんだなと微笑ましかったです。
さて、仕事に入ります。
受電設備は大きな声で指さし呼称をしながらチェックします。
「開錠ヨシ! 」「電圧確認! 」etc
もちろん、クマよけの為です。
また、音楽を鳴らしながらの作業なので集中力を保つ効果もあります。
次に太陽光のパネル点検。
鉄骨の下を潜り抜けたり、下草が生えている地面の上を歩くので注意が必要です。
ジョロウグモぐらいなら手で払いのければ良いですが、蜂には注意が必要です。
また、梅雨時は蛇が出ます。
マムシやヤマカガシは毒があるので、噛まれたらすぐに病院に行かなければいけません。
無毒でもアオダイショウは大人しいですが、シマヘビは攻撃性が高いのでやはり警戒は必要です。
嚙まれると破傷風になる可能性があるからです。
事前に病院で破傷風の予防接種を受けておりますが、噛まれたくはありません。
ゆっくり歩きます。
点検終了。
時間があるときは、敷地内の電柱を使い昇る練習をします。
命綱をつけ10メートルぐらいを昇降。
肩こり予防に効果があります。
若いころより身体が重くなったことを実感し悲しくなりますが……
ダイエット~!
忘れ物がない事と施錠を確認し、自動車に戻ります。
大体2時間ぐらいです。
仕事自体は肉体的負担はありませんが、緊張のためか家に帰るとぐったりします。
早めに就寝します。
先日、なろう小説が好きな知人とお喋りしました。
知人は異世界転移に興味津々だそうです。
「魔法使いになって、攻撃魔法で魔獣を倒してみたい! 」
私はそんな彼女に尊敬の眼差しを送ります。
「自分は無理~! 万が一、異世界に飛ばされたら村で畑を耕すか子守とか家事を手伝わせて貰う」
友人は驚いたようです。
「え~! あなた、冒険とか好きそうなのに」
「私は小心者だから、平穏が一番だよ」
心の底から思っています。
異世界転移しなくても、冒険は出来ますよ~。
万年人手不足ですから、簡単に勇者になれますよ~。
※布教活動
私が物語の世界のキャラクターたちの苦労に共感してしまうのは、日頃の経験も関係しているかもしれません(;^_^A
「魔法使いになりたい」
というような言葉を聞くたびに。
(そういや、知り合いの猟師さんが後継者不足で困っていたなあ)
と心の中で求人紹介をしたくなってしまう田舎の民です。m(__)m




