子竜ちゃん20歳 変態準備各地へ10
おはよーございますー、今日は親子丼にやられました
冬の旅は厳しいということで、春が来るまで、
黄竜の里でのんびりとしてた
黄竜の里の人は、のんびり屋さんが多いのか
私たちがいるのを全然気に掛けない
白黒の里との違いが凄い・・・
ちなみに、いまいるのは、ルアンさんとヴェルデさんと
ときわちゃんと、私
ブロージュさんが、ときわちゃんの
飛行能力を評価してくれて
春になれば、ときわちゃんの飛翔力で
私と二人きりだったとしても、大丈夫でしょうと
太鼓判をおしてくれた
緑竜の里は、ここから近いし
万が一の場合は、ヴェルデさんがいる
と、いうことで、気兼ねなくのんびり
小さな鏡を持ってきてたので
ルアンさんに、見せてあげてたら、その時だけ
黄竜が集まってきたのには笑ったけど・・・
あとは、特にすることがないので
紫の木の種に、そだてーそだてーと念じてみた
気のせいかもしれないけど、ちょっと大きくなった気がする
根がでたら植え時で、出たらすぐに広い場所にいかなきゃならないらしい
子ども部屋からみた、紫の木は小さくみえたけど
あれは距離があったから
実際下に降りてみると、見上げるぐらい大きかった
どれくらい前に、発芽したのかは解らないけどね
紫竜の巣は、集合体だから、巨大なのは解るけど
子ども部屋の山=木なんだから、
ものすごーく大きくなるのは確かよね
それとも、あの山も集合体なのかしら・・・
なんてことを考えてる内に春がきて、出発、そして緑竜の里に到着です
「どうだ?緑竜の里は?」
そう聞くヴェルデさんに私はとびっきりの笑顔で
いいですねっと返事した
だって、深い緑の森、流れる川の色もその森をうつして緑に見える
所々に極彩色の鳥や花が咲いてて
おとぎ話に出てきそうな森
「おちつく?」
ぺっとりとくっついてときわちゃんが聞く
「うん、落ち着くよね」
緑の中って安心する、森林浴ー
なんて言いながら、うーんと伸びると、ばきって音がした
「ちょっと疲れた?」
「ちょっとね、でも、ときわちゃんの方が
跳び続けて疲れてない?」
なでなでと頭を撫でると、嬉しそうに目を細めて
くるくると鳴く
「大丈夫、だから、長の所行く」
そう言って、ぱくりと私を銜えて行くのはどうしてですか
「おい、行くのか?」
そういうヴェルデさんを放って、スタスタ歩いて行っちゃう
「そのようですー」
変わりに答えてみた
あぐぅって・・・なんで力強めて咬むの
「ときわちゃーん?痛いよ?」
そう言うと、ゆるめて銜えてくれるけど
うーん、何がしたいんだろう
「歩いていけるよ?」
そういうと、軽くぷるぷると頭を振る
うう、シェイクは辞めて下さい・・・
そういえば、るりちゃんとたんぽぽちゃんは、
竜の王さまみたいに頭に響く声で話した
ときわちゃんは、まだできないのかな・・・
木に埋もれるように、竜がいた
・・・それもいっぱい
っていうか、まわりにいっぱいいたことに今気付いた
何このどこにいるのか探してみよーゲーム
なんか、子どもの本でそういうのあったよね
○○を探せ、とかみっけーとか・・・
そっと地面に下ろされて
目の前の巨体に圧倒される
うーん、一番大きいかも
「良く来たな、幼き竜と人間
して、用は?」
ちらりと、視線を感じたけど、威圧感はない
ふー、良かった
ぽてぽてとときわちゃんが前に進み出て
ぺこりと挨拶して話し始めた
「緑竜のときわです
今年で、20になります
護り人と6人の兄弟と旅をして来ました
他の兄弟は各地で眠りにつき
最後の一人、眠りにつきに来ました」
そうなんだよね、もう最後
長竜は、じーっと私とときわちゃんをみると
うんうんという感じで頷く
「ゆりかごを探せ
人よ、こちらに・・・」
そう言うと、風が吹く
あっという間に私は空の住人
周りには、風の精霊のくすくすという笑い声と
大丈夫よ、というような声
そう、聞きたかったから、そう聞こえただけかもしれないけど
ひぃぃぃぃぃぃぃ~
私は、声なき悲鳴を上げて、風に運ばれていった
ちょっと長すぎたので、2話に分けましたー
変態準備11で完了です!




