イベント1日目
朝、会場に入ると
だだっぴろい所に、机と椅子が列をなして置かれている
これが人一杯になると、前の机すら見えないから
凄いよね~
まぁ、見てる余裕すらないという事実が哀しいけど
服飾系は、人が溜まりやすいからと
壁側の場所、2つのブースが割り当てられてた
イベント主催側が、場所を決めてくれるので
その場所で、りっちゃんとせっせと設営
小物が多いりっちゃんと、大物?が多い私
横は、私、りっちゃんが机の上
所狭しだけど、雰囲気よく置けたかな
今回、春物夏物中心
篠山さんの車のような水色と白のストライプの敷き布に
濃い青のレースが映えてる
コルクと、透明なクリアボックス
飾りのペンギンが水色の氷と戯れてる
交代でトイレに行ってちょっとご飯食べて
開場を知らせるアナウンスの後
各ブースから拍手が起こった
「んー、テンションあがるね!」
なんてりっちゃんはニコニコしてるけど
何が始まるかは、実際見たほうが早いとのこと
一番凄い所は、違うお部屋だから、見られないけど
ユキちゃんはびっくりすると思うよ
人の情熱って何だろうなんて悟り開けちゃうかも
なんて饒舌に話すりっちゃん
んー楽しそうだなぁ~
でも、なんだろう、
何が吃驚することなんだろうか・・・
そう思った瞬間、どどどという津波の様な音が遠くで聞こえ
走らないで下さいの声
え゛え゛え゛ー、あっちで何が起こってるの?
「始まったわね」
挨拶をしたきりだった隣りのブースの人が
ふらりと出てきて、話しかけて来た
クルクルと巻いた銀色の髪に、
紫のアイシャドウと、睫毛の先にラメをつけてる
ほっぺたに涙型のスワロフスキー
真っ黒な口紅
黒主体で紫のレースやパイピングで全体的に締めてて
格好いい
西洋のお城の女主人みたいな
ゲームのような雰囲気の人
「対局な服装なのにお隣さんで
ちょっと吃驚するわ
でも、今日明日、ヨロシクねぇ」
そう言ってくすくす笑うけど
お互いの服装を嫌っては無さそう
ただ、方向性が違うだけ
作る技術や、物作りが好きってのは変わらないもんね
「そうですね~
びっくりしますが、お互いいろいろ見られて
面白いですよね」
そうりっちゃんが言うと
くすくすと笑いながら、彼女も頷いた
「両極端のおもしろさってことね
ってことで、私も早速見に来たわけよ」
そう言って、りっちゃんの指輪を眺めてる
「ユキちゃん、今の内だったら見てきてもいいよ
後で、もう二人合流するしね
寝坊したって言ってたから」
うん、今回、4人でするよーって言ってたのに
なかなか人が来ないから、どうしたのかと思った
「服は、貴方が作ってるの?」
さっきの人に聞かれて、私は頷いた
「手縫いよね?」
そう言われて、また頷く
「拘りなの?それとも、たまたま?」
うーん、竜の国でミシンが無かったから・・・だよね
「どこでも出来るようにって、手縫いなのが理由なんですが
手縫いの方が、肌に生地が馴染みやすいからですね」
なんて、もっともらしい理由
でも、これはほんと、ひぃばぁちゃまが仕立ててくれた
浴衣と既製品の浴衣じゃ全然違ったし
雑巾や布巾を縫うときは、必ず手縫いね、と言われた
糸が切れにくく、長持ちするんだって
あとは、刺し子模様とか、いろいろ模様も出来るし
手縫いの練習にもなるからねぇと
無駄がないと言われた
たしかに、一杯いっぱい作って解った
習うより慣れろ、
まずはやってみようっていうのが
なんでもやってみないと始まらないよね
今回のイベントはリアルには有りませんヨ、ただ足して二で割ったような雰囲気のイベントは存在してますが、素人さんたちには、危険なイベント、あそこは・・・戦場だ(ほんとに!)予約20時予定分




