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オリジナルマスター   作者: ルド
魔法使いは姉妹を護る。
39/265

第4話 到着。

アレですね……フラグ立てるの早過ぎました(汗)

2〜3話で回収予定でしたが……思うようにいきません。


気が付けばブックマ登録が250件に!

有り難うございます!


これからもどうかよろしくお願いします!


再修正。


「いや、普通に無理ですから」

「……え? なんで!?」


返答は淀みない淡々としたものであった。

リナからの魔法指導の申し出に、ジークはしばし困惑し黙り込んでしまったが。


(冷静に考えたらありえないよ。魔法の先生なんて断固お断りだよ)


未だにつかみ難いリナの真意を除いても、この展開は明らかに宜しくない。彼にはマイナス面しか浮かばなかった。


受ける受けない以前に現状、ジークの立ち位置はかなり危うい。

今ジョドとしてリナの側にいるが、もし仮に指導を引き受けたとして、当然ジョドの姿で教えねばならない。


(無理だ。何そのありえない状況は……)


別に『偽装変装(ハロウィンハロー)』を長時間、発動出来ないわけではないが、彼にとってデメリットしかないのは明白であった。


(常に姿変えて指導とか……めんど過ぎる)


基本面倒なことはお断りな自堕落(フリーダム)精神のジークとしては、例え大金を払われてもそんな面倒な指導など御免なのだ。


なにより、リナとは直接面識はなくても、姉のサナとは嫌と言うほど面識がある。


バレる可能性は少ないと思われるが、最悪ジョドの姿でサナに対面する可能性があり、その結果、万が一可能性もあるのだ。


(ていうかバレて知られたら、間違いなく残りの学生生活が動きづらくなる! ヘタしたら街中でも!)


暗雲の予感がひしひしと感じ冷や汗を流すジーク、もう拒否的なこの自分の結論に対して一切迷いもなく罪悪感もなかった。


──となれば


「さぁ、話も済みましたし行きますよ」


さっさとギルド会館に(かえ)るのが先決である。……字が違うがスルー。


「え? ちょっ、待ってよ! ジョド!?」


しばし唖然とした様子でポカ〜ンとしていたリナだが、さっさと歩き出す彼を見て、ハッと慌てた顔で追い掛けて、呼び止めようとするが……。


「ねぇ!? 聞いてるの!? 何でダメなの!? ねぇってば!?」


(あーあーきこえな〜い)


視線すら合わせず、聞こえないフリをして先を進むジーク。途中から駄々をこねる子どもの相手をしている気分になって、大変居心地が悪かったが。


リナのお願いに堪えて数分。

無事に目的地であるギルド会館に到着した。


「ねぇ? 何で無視するの? 答えてよ! ボクが何か悪いこと言ったの!? ううっ〜〜、コラっ〜〜! いいからこっち向け〜〜〜!」


諦めが悪いリナは、背後から彼の背中をポカポカと叩いてくる。若干涙目であり、最初にあった遠慮や緊張感が皆無であった。


(意外と表情豊かな子だ。いや、育った環境の影響が? 今までは抑えていた方か)


出会った時は正直感情の乏しい印象があったが、今は全然真逆の感情豊かな娘だ。


(……なんだかさっきと比べて、元気そうな子だ)


不思議と穏やかな気持ちで、そんな彼女を横目で眺めていたが。


「人の話を聞いてよ〜〜!」


(……若干鬱陶(うっとう)しいが)


キャラ崩壊しかけてるリナに対して、ジークは子供の世話に苦労するお父さんみたいな気分を味わいつつ、会館の中に入るまでのリナの猛攻を割と真剣に回避し続けた。



◇◇◇



「あっ、おかえりなさい。じー……ジョドさんっ!?」


リナからの猛攻をなんとか切り抜けギルド会館に到着した。中に入ると彼は真っ先に受付窓口に歩み受付嬢のキリアに近寄った。


その途中、見知った呑んだくれもテーブル席で見かけたが、……あんまり視線を向けて絡まれると面倒なのでスルー。


あまり関係ない話であるが、キリアの受付窓口に向かう際、彼の近くを通ったもの達は男女問わず魅入っていた。


魔法でイケメン顔に変えてる事だけが理由ではなく、世にも珍しい赤髪が素顔を隠すフードの隙間から出ていたからである。


これに関しては完全にジークのミスであった。

最初にジョドの姿をした際、彼はとにかくシルバーの姿から離れた存在をイメージしたのだ。


実はかつて共に大戦を戦った一部のギルド関係者には、偽装変装(ハロウィンハロー)について教えていたのだ。


敵地に侵入するための有効的な魔法であったことから、ジークもつい口のチャックが緩くなり、本当にごく一部の者にだけ、この魔法について説明したのだ。


その際うっかり自分の姿も魔法で変えていると言ってしまった。……戦場から離れてこの街に来た際に思いっきり後悔した。


と、こんな事情のため、彼は冒険者として活動の際、やむなく実力を表に出す時用の顔が必要だと考え、作ったのが……このジョドであった。


暫くしてこの街に自分以外の赤髪の人が居ないと知り、“やっちまったぁ〜!”と頭を抱えるのだが、もう変えるのも面倒だとそのままにしている。


「ど、どうして此方に……」


突然の来訪にうっかりジークの名を口にしそうになったが、よく見るとジョドに変装していると気づいて、慌てて呼び名を変えた。


側から見たら全然違うが、どちらの姿も知っているキリアは、一瞬言葉を紡いだ。


「どうもキリアさん」

「あ、はい、あの……何故そのお姿で?(ボソ)」


軽く身を乗り出して近付き、彼にだけ聞こえる声で質問する。

ジョドの姿をしている時は、大抵が極秘依頼での討伐戦などの時だ。


噂が広がってからは不用意にその姿でギルド会館には来ないようにしてきたのを知っている為、何故今日に限って来たのか、その行動に疑問符を浮かべていると……。


「まぁ、その……色々ありまして(ボソ)」


何故か曖昧に答えると、チラリと背後に視線を向ける。その視線を追うようにキリアも不思議に思いつつ顔を向け……。


「…………」


(あ、放心した)


予想外の光景に表情が消えたキリアを見て、つい吹きそうになるが、キリアの反応も無理はないと堪える。


(表情は工夫出来ても笑い声は無理だから気をつけないと)


彼の背後にはルールブ家次女のリナ・ルールブが訝しげで控えていた。キリアの立場なら絶叫しなかっただけ、充分な対応力である。

暫く放心したままであったが、身を乗り出した状態で立ち尽くして十数秒が経過。


「────ッッ!?」


沈んでいた意識を取り戻したか、ギョっ!? とした表情したと思えば、次第に涙目になって、さらにジークに詰め寄った。


……その際、背後で伺っていたリナを含め、視線を向けていた周囲の人達の顔が驚愕の顔になったが、当の二人は気づいていない。


側から見ていると、仕事場に来た彼氏に詰め寄っている彼女の絵であった。


「い、色々あり過ぎでしょうっーー!?(ボソ) な、なんですかアレはっーー!?(ボソ)」

「あははははっ(ボソ)」

「笑いごとじゃありませんよっ!?(ボソ) 誤魔化してるつもりですか!(ボソ)」

「フフフフフフっ(ボソ)」

「鼻笑いでもありませんよ!?(ボソ) さっきからワザとですよね!?(ボソ)」

「……………………」

「お願いですから、無言だけはやめくださいっ!(ボソ)」

「ハァ〜ワガママですねぇー(ボソ)」

「もう! からかうのももうなしですっ!(ボソ)……ジークさんはイジワルです(ボソ)」


余程余裕がないのか、ヒソヒソと内緒話を始めてしまう。

額には尋常ではない量の汗を流して、叫びたくなる衝動を極限まで抑えた小声。ギルドマスターの懐刀と呼ばれたキリアでも、貴族界トップの娘が相手では落ち着かない様子だった。


「まぁ色々と言いたいのは分かりますが、それは後ほど。お願いがあるので後で説明します。……取り敢えず彼女の保護をお願いできますか?」


そう言って背後のリナを横目で見る。

彼女とは言うまでもなく、リナのことである。

それこそが彼が仕事の顔を周囲に晒す危険を犯してまで、ギルド会館(ココ)に来た理由だ。


「……本当に何があったんですか?」

「それについても後ほど。彼女をキリアさんに任せますので、シャリアのところに行って来ていいですか?」


自分の部屋にいるであろう金髪ロリを脳裏で浮かべ、二階続く階段に視線を向けた。キリアも理解しており、とくに異議を唱えず頷いてくれた。


ただ一つ問題が……。


(うわ〜〜凄いご機嫌が悪そうだなぁ)


ついでに魔力を探ったことで彼女(・・)が不機嫌状態であることに気づき、一瞬だけ出口に向けて踵返したくなった。……しなかったが。


(どうやら説明の前にご機嫌取りする必要があるようだ)


苦笑を浮かべ諦めるように息を吐くと、彼は再びキリアに顔を向け、この場での話を終わらせることにした。


次回はアレです。幼女のご機嫌取りです。

一応言っておきますが、主人公はロリコンではありません!(キッパリ)


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