表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/27

『二十六人』の母親 (3)

 「『二十六人』が、『肉屋の息子』への御見舞いツアーを主導したら、

今度は、『二十六人』自身が癌になってしまった」


 そう言って、『情報通』が涙を浮かべた。


 話はズレるが、

『桜を見る会』とまでは言わ無いけど、

自民党の議員に投票するのなら、

せめてバスツアーくらいの利益供与を受けないと。

まあ、私も、この御見舞いツアーには、

招待して貰え無かったんだけどね。

一応、言い訳しておくと、

この時は、

地元を離れて二十年くらい経っていたから、

県議選の選挙権が無かったんだよ。

ただ、

癌○病院から歩いて2〜3分の所に住んでいた。


 話を戻すと。


 その『二十六人』が亡くなった話は、

以前に『情報通』から電話がかかって来て、

知っていた。

その時は、


 「皆、お前に会いたがってる。同窓会に出て来いよ」


 と言われたけど。


 地元に住んでもいないのに、

高が同窓会のためだけに、『実家ヘ戻れ!』と言われても。

引っ越し後の家に帰っても、

懐かしさなんて感じないんだよ。

それに、

中学の時は、あれだけ嫌われていたのに、

今更、「会いたい」と言われても。

卒業アルバムとか、

一緒に撮る相手を探さなければならなくて、

苦労したのに。

そもそも、

それだけ嫌われていたら、

私が会いたい人なんて、いないんだよ。


 「夢が壊れるから、会いたくない。

もう、

あの頃とは、別人に成っているだろ?

俺は、今でも、底辺不良中学の夢を見るんだ」


 私は、

そう言って、同窓会の出席を断った。


 底辺不良中学の夢、

これはね。

本当に、よく見るんだよ。


 それに対して、

T大の夢は、

ほとんど見ない。

偶に見てもね。

舞台はT大のキャンパスなのに、

登場人物が、

底辺不良中学の連中だったりするんだよ。

第四話で書いた様に、

「Nの息子がT大に受かった」と聞いた後、

(そう言えば、夢の中ではT大にNが居たな?)

と思った。


 結局ね。

私は、

根っからの底辺コースの人間なんだよ。

まっ、文章力から判ると思うけど。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ