『二十六人』の母親 (2)
底辺不良中学を卒業して、
四十年以上経ってから、
泊りがけの同窓会が開かれた。
中学の時は、あれだけ嫌われていた私なのに、
今は、
同窓会への御迎えが来る。
十六年前に建てた一戸建ては、
交通量が多い抜け道に面しているので、
誰にも教えていないのに、
皆、私の居場所を知っている様だ。
残念な事に、
今の私には、【他人に妬まれる要素】が無い。
同窓会で言われるのは、
妻が十四歳若い事くらい。
「お前は芸能人か!」
とツッコまれるだけで、
大した意味は無い。
私がネトウヨを大好きなのも、
彼等から【妬み】を感じ続けていたいのかも知れない。
その泊りがけの同窓会は、
全国的に有名な温泉地の旅館で行なわれた。
私は、
食べ物は、一つも口にせず、
ただ、酒だけを飲み続けた。
そして、
一睡もしなかった。
午前四時頃、
『情報通』の奴に、
「何故? 肉屋の跡地にビルが建っているのか?」
尋ねてみた。
その『情報通』の話しでは。
『肉屋の息子』は、
『新人類の間では、政治が【流行った】 〜 日本没落の流れ (1)』で書いた、
自民党の県会議員Kの秘書の様な役割を担っていたらしい。
政治理念や政策を持たず、
知名度や組織力を誇示するために、
『肉屋の息子』は、
【遊び】で選挙を楽しんでいた様だ。
その『肉屋の息子』は、
若くして癌となり、
当時、大塚に在った癌○病院に入院した。
「最新の施設で、最善の治療を受けられるのだから、
死んでも悔いは無い!」
と言って、
『肉屋の息子』は死んで行ったのだそうだ。
それを聞いた時は、
癌○出身の教授とか、
癌○関係者の顔が浮かんで、
(何言ってるの? 馬鹿じゃね?)
と思った。
話はズレるが、
医療従事者ってのは、
基本的に人間のクズに成っちゃうんだよね。
病人や年寄り等、最弱者と接している内に。
医者はね。
子供の頃から実力で他人の評価を獲得して来た人種だし、
患者と接する機会が少ないから、
まだマシなんだけど。
看護師とか透析技師とかはね。
元々、医学部にすら入れ無い底辺だった人が、
患者や、その家族にペコペコされちゃうと、
何か? 自分が偉く成ったと勘違いして、
感覚が麻痺しちゃうんだよね。
本当! 看護学校は何を教えているの?
話を戻すと。
【資本主義社会】では、
『肉屋の息子』如きが、
最高ランクの扱いを受ける事は無い。
でも、今は、
(頭がボケる前に亡くなってしまう人は、
『死んでも悔いは無い!』と脳に刷り込むしか、
選択肢が残されていないんだな)
と、
思う様になっている。
特攻隊員とかね。
さて、
『肉屋の息子』が癌○病院に入院すると、
ツアーが組まれた。
お見舞いの。
そのツアーの中心人物が、
『二十六人』だ。




